タイトル:成長のヒント3
はじめに:「内なる計画」と「外からの問い」
おはようございます。6月27日SHIPの朝礼を始めます。思いがけず続いてしまっている「成長のヒント」ですが、昨日まではヴィクトール・フランクル氏を紹介しましたが、今日は経営学者・飯田史彦氏の著書『いきがいの創造』を紹介します。この本で提示される中心的な考え方は、「人は、この世に生まれてくる前に、自ら人生の課題やテーマを設定してきている」というもの。
常識的に考えれば、少し不思議な、あるいはスピリチュアルな珍説に聞こえるかもしれません。
この「内的に設定された課題」という考え方は、私たちが以前のヒントで探求した、ヴィクトール・フランクルの思想とは、一見正反対に見えます。フランクルは、強制収容所という悲惨な外的要因の中から、「人生が我々に問いを発している」というコペルニクス的転回を導き出しました。
片や「生まれる前に決めた、内なる計画」。片や「置かれた状況から問われる、外からの問い」。この二つは、全く相容れないものなのでしょうか。いいえ、実はこの二つの思想を重ね合わせることで、私たちの仕事や人生の意味は、より立体的に見えてくるのです。
統合の鍵:「人生の羅針盤」と「目の前の海図」
「課題をもって生まれる」と「人生から問われる」
この二つの思想は、その成り立ちや視点に興味深い違いと、そして本質的な共通点があります。
1.課題の「起源」の違い
飯田史彦氏の視点(生まれる前に設定する「課題」):
『いきがいの創造』などで語られる考え方は、私たちの魂が、この世に生まれてくる前に、自ら人生の目的や達成すべき「課題」を設定してくる、というものです。それは、まるで人生という学校に入学する前に、今回の学期で学ぶ「学習テーマ」を決めてくるようなイメージです。
ヴィクトール・フランクルの視点(人生の状況から発生する「問い」):
一方、フランクルの思想は、あくまでこの世に生を受けた後、私たちが直面する具体的な「状況」の中から意味や使命が見出される、というものです。人生の意味はあらかじめ用意されたものではなく、人生からの「問いかけ」に対して、私たちがどう「応答」するかという、その瞬間の選択の中に生まれます。
2.二つの思想を統合して考える
では、この二つは全く別の考え方なのでしょうか。ここで、これらを「人生の羅針盤」と「目の前の海図」という比喩で捉え直してみましょう。
飯田氏の言う「課題」= 人生の大きな「羅針盤」
私たちが生まれる前に設定してきたかもしれない「課題」とは、人生全体の大きな方向性、つまり「コンパスが指し示す北」のようなものかもしれません。「人を癒す」「新しい価値を創造する」といった、抽象的で大きなテーマです。フランクルの言う「問い」= 目の前の具体的な「海図」
そして、日々の仕事の中で直面する困難や出来事は、人生という航海の途中で現れる具体的な気象や地形、つまり「海図」です。困難なプロジェクトという「嵐」、新しいチャンスという「未知の島」、助けを求める同僚という「他の船」。その都度「どう行動するか?」という「人生からの問い」に直面します。
つまり、生まれる前に設定した大きなテーマ(羅針盤)を達成するために、人生は日々の出来事(海図)を通して、私たちに具体的な問いを投げかけ続けている、と考えることはできないでしょうか。
私たちがその具体的な「問い」に誠実に応答し続けることが、結果として、生まれる前に自らが望んだ「課題」をクリアすることに繋がっていく。そう考えると、一見正反対に見えた二つの思想は、美しく結びつくのです。
おわりに:あなたの仕事の目的は…
もし、あなたが今の仕事で大きな困難に直面していたり、あるいは逆に、強いやりがいを感じているとしたら。それは単なる偶然ではないのかもしれません。
あなたが毎日取り組んでいるその仕事は、一体何のためなのでしょうか。
ひょっとするとその答えは、あなたが生まれるずっと前に、あなた自身が決めてきた壮大な「課題」の中にあるのかもしれません。
成長のヒント3はスピリチュアルが過ぎる感じた人もいるかもしれませんが、以上で朝礼を終わります。
2025年6月27日 at 8:29 AM
おはようございます
「人は、この世に生まれてくる前に、自ら人生の課題やテーマを設定してきている」
この文章にハッとします。
生まれる前に決めた
内なる計画
人生からの問い
なんのために働くのか?
自分の人生を最高の状態にするには?
問いに対する答えを考えて、行動して、
周りを巻き込んで成長する。
改めて週末に今までとこれからを考える機会を作り、
行動につなげます。
2025年6月27日 at 1:55 PM
思いがけず「夜と霧」から、そこまで飛んでしまいました
縁ある人(会社)は、他生から縁がある
そこに貢献すべき理由が納得いきます
2025年6月27日 at 9:27 AM
人生の大枠のストーリーのテーマは、人生開始前にすでに決定していて、生まれてきた後、いろいろな課題、壁が人生によって、必然的に自分へ発生させている。
今直面していることは、人生最終に必要でありそれが与えられており、それを乗り越えることで、仕事をする。
根本の何のために仕事している問いを、人生前のテーマ、人生後の海図を踏まえて明確化します。
2025年6月27日 at 1:56 PM
コメントありがとう
2025年6月27日 at 9:29 AM
おはようございます。
自分が毎日取り組んでいる仕事は、何のためなのか。
大きな困難に直面していたり、あるいは逆に、強いやりがいを感じているのは…
もしそれが、生まれる前に設定した大きなテーマを達成するための、小さな課題に過ぎないとしたら?
今ぶつかっている壁が人生最大の困難に思ってしまいがちですが、広い視点で見て「これも一つの壁か」くらいに考えると気が楽になると思いました。
2025年6月27日 at 1:57 PM
>「これも一つの壁か」
の後に
「想定内」とつぶやけばいいですよね