おはようございます。9月1日、SHIPの朝礼を始めます。
昨日の全体会議では、AIに1か月分の日報を読み込ませてフィードバックを受けるというエクササイズを行いました。今日はその結果を受けて、私が感じたことを共有します。
AIの点数は「判定」ではない
大前提として、AIがつける点数に絶対的な意味はありません。指示の言葉づかいや基準の書き方を少し変えるだけで結果がブレることは研究でも指摘されており、AIの点数は体温計というより、こちらの問いの立て方を映す「鏡」です。
大切なのは「何点だったか」ではなく、「この点数も含めて、次に何を変えるかを考える機会を作ること」です。その意味で、私はAIに採点させるなら、上限を80点、下限を30点くらいに収まるよう意図的にチューニングするのが良いと思いました。
なぜ上限を80点にするのか
理由は二つあります。
一つ目は、満点は思考を止めてしまうからです。「85%ルール※1」の研究や目標設定理論が示すように、人間は「少し間違える難易度」や「挑戦的だが届く範囲の目標」がある時に最も成長します。
「95点で素晴らしい」と言われれば気分は良いですが、そこで思考は止まります。あえて80点とすることで、「残り20点は何か?」「次は何を変えるべきか?」という健全な問いが生まれます。
二つ目は、AIのフィードバックの質が上がるからです。教育研究者のハッティとティンパリーは、フィードバックには以下の4つのレベルがあると整理しました。
- 課題レベル……できていた/できていなかった
- プロセスレベル……どうやったか、どんな手順だったか
- 自己調整レベル……自分で自分をどう点検し、修正するか
- 自己レベル……「あなたは優秀だ」といった人物そのものへの評価
実は、最も学習効果が低いのは「4. 自己レベル」だと言われています。95点の評価だと、AIは残りの5点を探すための細かな指摘(1. 課題レベル)と、「素晴らしい」という中身のない称賛(4. 自己レベル)に偏りがちです。
しかし80点と設定すると、AIは20点分のマイナスを説明する責任を負います。すると日報の細かな記述だけでは説明しきれず、仕事の進め方や時間の配分、自己管理といった「プロセスレベル」や「自己調整レベル」の、一段高い建設的なフィードバックをせざるを得なくなるのです。
なぜ下限を30点にするのか
昨日の結果にはありませんでしたが、低すぎる点数も育成の観点からはよくありません。
「15点です」と極端に低く判定されると、人は注意が「仕事の改善」ではなく「自己否定(ネガティブな自己レベル)」へ向かってしまいます。自己肯定感をなくしつつあるときこそ、AIに肯定される余白を残しておくことが必要です。
それに、毎日現場へ立ち、決められた業務をこなし、仲間に迷惑をかけずに1か月を完走した時点で、皆さんはすでにプラスの貢献をしています。
この当たり前の土台を「30点」としてしっかり認めることで、残りの70点の改善について、前向きかつ冷静な議論ができるようになります。
AIを採点者ではなく、コーチにする
AIを活用する際は、ぜひこう問いかけてみてください。
「なぜこの点数なのか」
「自分では気づかない進め方のクセは何か」
「来月、具体的に何を変えればいいか」
効果的なフィードバックとは、結果を因果の関係でとらえ、「因を変えるには?」「どこへ向かっているか?」「今どこにいるか?」「次に何をするか?」に答えるものです。
AIに求めるのは正しい採点ではなく、自分では気づけなかった伸びしろを見つけ、次の行動につなげることです。
AIを自分専属のコーチに育て上げ、使いこなす練習は、ここからが本番です。
以上で朝礼を終わります。
※1:「85%ルール」はウィルソンらが2019年に『Nature Communications』誌に発表した研究で、学習が最も速く進むのは、正答率100%でも50%でもなく、85%前後——およそ15%は間違える難易度のときだというもの。
2026年9月1日 at 7:37 AM
昨日やってみてイメージに合う点数でした。
客観的に見ても今まさに自分が直面している問題点を上げてくれたので素直に実行に移していきます。
こちら側が目的をもってAIを活用することで成長のコーチになってくれる。AIとのラリーを使いこなし、成長速度を上げる工夫をしていきます
2026年9月1日 at 8:16 AM
AI評価とチームでの発表→フィードバックを経て、客観的な因果のコミュニケーションが取れ、具体的に9月何をすることで練習し、結果を変えるのか?と非常にクリアなミーティングが実行できました。
インプットする質によっても、結果は大きく変わります。
日報での日々の目的・目標とのGAPの言語化力が高ければ、より的を得て自己成長につながるフィードバックもアウトプットされ、AIコーチもより成長に貢献してくれます。
日々の壁打ちをAIを最大限活用して、目的・方針に沿った考え方で成果の出るチームで練習→結果を出していきます。