ビフォーアフター社長日記

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10年ぶりのフロリダで思い出したこと


 10年ぶりにディズニーワールドやユニバーサルスタジオで有名なフロリダに行ってきました。全米でもトップクラスの人口増加率で、宅地開発がいたるところで行われています。日本で住宅展示場や建売住宅を案内されると「建物いくらですか? 土地はいくらですか?」という質問と応答が当然のようにやりとりされますが、住宅に関する知識がある人ほど「建物は減価する、土地は減価しにくいので、もし手放すとしたらこれくらいかな?」と考えながら話を聞きます。アメリカのまともな住宅地でこの質問をしても答えてくれますが、あまり意味がありません。アメリカ人にとって住宅は「資産」ですから目減りする「資産」にはそもそも需要がありません。

 住宅の資産価値を保持する、あるいは上昇させるのは何でしょうか?

 建物価値が減価される日本ではほぼ土地の値上がり期待ですが、アメリカでは住宅地の価値です。そこに住みたいと思わせるコミュニティだったり、共通の住宅様式(コード)に基づいた建築物、景観を含めた住環境の価値です。そのためにアメリカの住宅地では、HOA(ホーム・オーナーズ・アソシエーション)という住民規約を決めて厳格に運用されていきます。道路から住宅までのセットバックの距離や植える植栽、芝の長さの許容範囲や住宅改修のルールなど、HOAごとに決まっているそうです。価値観の合う住人同士でないと成り立ちません。このように資産を守り快適に暮らすために街に門(ゲート)を作っているところも多いので、ゲーテッドコミュニティとも言われています。引退した富裕層が移り住む街として有名なザ・ビレッジも、そのような街のひとつですが、ゴルフカートを移動手段にしてそこら中でダンスをしている白人の成功者の街は、10年前からさらに区画を大きく広げていました。

 北海道のニセコの記事では、ニセコは高級リゾートとして外国人富裕層に人気で一泊50万円のペントハウスの予約が2019年のシーズンまで満室であり、顧客ばかりか応対するスタッフも多言語の通じた外国人にどんどんとって変わられているということが紹介されていました。要するに日本のニセコが「理想のリゾートであれば遠くても一泊50万円でもいいと思う」外国人に占拠されているのです。ゲートはありませんが、一般の日本人にはかつてのニセコではなくなっていきます。

 情報社会ですでに起こっている現実は、景気や不景気、高い・安い、好き・嫌いなどが世界中とか日本中とかいう単位ではなく、小さな単位で目に見えるゲートの中、目に見えないゲートの中に同じ価値観の人が自然に集まり、自分たちの世界観の合う対象を尊重して、それが資産の維持や上昇につながっていくという流れです。今後の心がけは自分なりのゲーテッドコミュニティを作っていくことになります。


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