おはようございます。7月1日SHIPの朝礼を始めます。全体会議含め昨日までの内容のまとめです。
第1ボタンを掛け違えると、その後のボタンもすべてずれていきます。
本人は一生懸命に作業を進めています。周囲から見ても、仕事は前に進んでいるように見えます。しかし、最初に目的を取り違えていれば、進めば進むほど、本来のゴールから離れていきます。
その結果、やり直しが発生します。やり直しで済まなければ、顧客に不利益を与え、信頼を失い、契約の解除につながることもあります。さらに深刻なのは、ひどい結果が起きたにもかかわらず、原因が検証されず、同じことが何度も繰り返されることです。
では、なぜ誰もが理屈ではわかることを、実際にはできないのでしょうか。
「最初に目的を確認する」
「わからなければ聞く」
「道順を聞いてから進む」
どれも難しい理論ではありません。それでもできない理由の一つは、依頼を受けた瞬間に、その内容を早く作業へ変えることが、依頼主の要望だと思ってしまうからです。
広告文を頼まれれば、すぐに広告文を書く。ホームページの修正を頼まれれば、言われた箇所を直す。資料を頼まれれば、すぐに資料をつくり始める。
依頼された言葉をそのまま作業に変えれば、仕事を進めている実感が得られます。しかし、もう一つ大きな理由があります。依頼をそのまま作業に置き換えれば、仕事の中で最も面倒で、しかも練習を必要とする「考えること」を省けるからです。
依頼主は、なぜそれを頼んでいるのか。
本当に解決したい問題は何か。
その作業を行えば、目的は達成できるのか。
ほかに、より適切な方法はないのか。
これらを考えるためには、一度立ち止まり、情報を整理し、仮説を立て、質問しなければなりません。依頼された作業をそのまま処理するよりも、はるかに負荷がかかります。
考える力は、知識を聞いただけでは身につきません。何度も問いを立て、目的と手段を分け、上位と下位を行き来する練習が必要です。
だから私たちは、無意識のうちに考えることを避け、目の前の作業へ逃げ込みます。そして、「依頼された通りにやりました」という状態をつくります。しかし、依頼された通りに作業したことと、依頼主の問題を解決したことは同じではありません。
広告文をつくることではなく、反響を増やすことが目的かもしれません。ページを直すことではなく、問い合わせが増えない原因を解決することが目的かもしれません。資料をつくることではなく、相手が正しく意思決定できる状態をつくることが目的かもしれません。
ここを考えることを省いて始めると、「おそらくこういう意味だろう」「これをやればよいだろう」という、自分なりの判断が入り込みます。目の前の言葉や、すぐに実行できる手段だけを基準にして、近くに見えたボタンに掛けてしまうのです。
いったん作業を始めると、さらに道順を聞きにくくなります。途中で確認すれば、自分の理解が違っていたことや、それまでに使った時間を認めなければなりません。そのため、多少の違和感があっても、そのまま進めてしまいます。進めば進むほど、掛け違いは大きくなります。
しかも、これは本人だけの問題ではありません。
バラバラの、他に関心のない集団では起こりがちなことです。
会社として目的や方針が掲げられていても、一人ひとりが自分の担当作業だけを見て、前後の仕事や周囲の判断に関心を持たなければ、仕事はつながりません。それぞれが自分なりの解釈で動き、それぞれの場所でボタンを掛け始めます。
その結果、手戻りが起きても、顧客が不満を示しても、契約を失っても、出来事が全体の問題として共有されません。それぞれが自分の担当範囲の出来事として処理し、「こういうこともある」「今回は仕方がなかった」と終わらせてしまいます。
周囲も同じように、依頼を作業へ置き換えることを仕事だと思っていれば、ひどい結果が起きても、そこに強い違和感が生まれません。目的は掲げられていても、日々の判断や作業と結びついていなければ、結果を振り返る共通の物差しにはならないのです。
そして次の仕事でも、同じように依頼を作業へ変え、同じように自分なりに進め、同じような手戻りや顧客不満を生み出します。
個人のミスが偶然繰り返されているのではありません。互いの仕事に関心を持たないバラバラの集団が、掛け違いに違和感を持たないまま、同じ失敗を再生産しているのです。
だから、私たちの解決すべき課題は、単に「もっと注意すること」ではありません。仕事の入り口で立ち止まり、考え、道順を聞くことを習慣にすることです。そして、自分の仕事だけでなく、仕事全体が目的に沿ってつながっているかを、互いに確認することです。
第1ボタンを掛けるための四つの問い
- 何のために行うのか。
- 誰の、どのような問題を解決するのか。
- 完成したとき、どのような状態になっていれば成功なのか。
- 最初に何を確認し、どの順番で進めるのか。
これは、ダブルダイヤモンドでいう「解決すべき課題を定める」段階と同じです。何を解くべきかがずれていれば、その後にどれだけ速く、丁寧に作業しても、よい成果にはつながりません。
第1ボタンを正しく掛ければ、目的に沿った成果が生まれます。そこで初めて、顧客の反応や喜びを体験できます。それが成功体験となり、自信と再現性につながります。
また、目的・管理・現場という三層を行き来する力も身につきます。目の前の作業だけでなく、その作業が何のために必要なのかを考えられるようになります。考える練習を重ねることで、自分なりの判断から抜け出し、上位目線で仕事を捉えられるようになります。
私たちの解決すべき課題は、依頼を早く作業に変えることではありません。
立ち止まって考える。
目的を確認する。
道順を聞く。
その通りに進む。
途中でも確かめる。
互いの仕事に関心を持つ。
結果を目的に照らして検証する。
第1ボタンをきちんと掛けることは、手戻りを減らすためだけではありません。顧客の成果を生み、個人を成長させ、集団として同じ失敗を再生産しないための、すべての仕事の出発点です。
以上で朝礼を終わります。
2026年7月1日 at 7:50 AM
マネージャーに求められるのは
常に仕事の目的、チーム方針を示すこと。
考え、道順の確認をしていくこと。
これを自分が行うのはもちろん、
チームの習慣にしていくこと。
言葉では簡単ですが、
依頼、着手の入り口で目的と正しいフローを明確にすること。
前後工程、メンバー同士で興味関心を持ち確認し合うこと。
実施の結果を目的から振り返り改善するサイクルをつくること。
これが行動、実働に落とし込めるように、
各WMや納品の実行フロー、ガントチャートなどの仕組みに、
また日報や日々の業務の中で当たり前にできるように落とし込んでいく。
また、それだけでもだめで、
その中でメンバーひとりひとりが実行できるよう、
それぞれのスキルやステップ、仕事への意識や本人の過去の成功失敗体験にあわせ、
必要な情報を変換して伝えやり方を変え、出来るように伴走すること。
これが、マネージャーの練習であると考えます。
チーム全体で第一ボタンのかけ違いが起こらないようにする責任を持ち、
顧客の問題解決を通じチームで成長していくことを目指します。
2026年7月1日 at 8:01 AM
>>依頼をそのまま作業に置き換えれば、仕事の中で最も面倒で、しかも練習を必要とする「考えること」を省けるからです。
ボタンの掛け違いを起こすマインド、カルチャーを自覚します。
考えを避け、作業に逃げる。
何度もお客様の期待を受け流して、問題解決をせずに適当に対応する考え方。
これでは、お客様に喜んでいただける状態にはならず、お客様が言ったことに反応してしまっています。
「手段・施策・作業から入る=目線が低い」
以前、ブログで
「速い馬=顧客が言う手段」→「早く目的地に着きたい」
という課題を定めるためにフレームで考えて、第一ボタンの掛け違いをなくす。
そのために、この構造で練習を繰り返し、実践して確かめること。
改めて、練習をし、実践してチームでの成長環境を整え、お客様の問題を解決し成長します。