おはようございます。4月23日SHIPの朝礼を始めます。
北東北と北海道の地震・津波が心配です。何も起こらないことを願いながら、今日は「顧客の創造」というテーマでお話しします。
中国人の「関係GUANXI」から学んだこと

2012年、東日本大震災の翌年にSHIP香港をつくった際、中国人の考え方を講座に通って学ぶ機会がありました。その中で取り上げられていたのが、2011年出版の『関係 GUANXI』という書籍です。
そこで学んだのは、中国人が人間関係を三重構造で捉えるという考え方でした。中心には「自己人」がいます。家族や濃い血縁、あるいは義兄弟のように強い信頼を交わした相手です。この関係の内側では、契約書がなくても約束を守ることが当然で、相手に尽くすことさえ自然な振る舞いになります。
外側には「外人」がいて、そこでは関係がまだ形成されていないため、契約があってもその重みがまったく違ってきます。真ん中には「熟人」がいて、一定の関係はあるが、まだ完全な身内ではないという位置づけです。
この考え方を知ってから、中国人に関するニュースやビジネス上の出来事も、少し構造的に理解しやすくなりました。中国人とビジネスパートナーになりたいなら、単に条件を整えるだけでは足りない。「自己人」の内側に入る努力が必要だ、というのが講義で学んだことでした。
顧客との関係も三層で考える
私はこの話を、そのまま日本の事業者様への講演や助言にも応用しています。もちろん中国と日本の社会学的差異を論じたいのではありません。しかし、顧客との関係を三層で考える見方は、とても実務的です。
内側は「身内」であり、いわばロイヤルカスタマーです。ここまで関係が深まると、競合の存在は限りなく薄くなります。価格や条件だけで比較されるのではなく、「この会社に頼みたい」という信頼が先に立つからです。
一方、真ん中は「取引先」です。すでに接点はあり、一定の信頼もありますが、競合は常に相手の視界に入っています。比較され、検討され、選び直される可能性がある。ここを安定した関係だと誤解すると、顧客は静かに離れていきます。
そして外側は「世間様」です。まだ取引もなく、関係もない。まずは認知を得なければ始まりません。ここでは、「知っていただくこと」自体が大事な仕事になります。
認知から身内へと育てる
つまり顧客創りとは、外側の人にまず認知していただき、真ん中の熟人顧客へと育て、最終的に「身内」に近い関係まで深めていく営みです。
そのためには、「〇〇といえばシップ」と真っ先に思い出していただける第一想起認知が必要です。広告もWebもAIも、そのための手段にすぎません。
私たちが本当に目指すべきことは、単なる集客ではなく、比較される相手から、信頼される相手へと関係を進化させることです。
ドラッカーの言葉に立ち返る
ピーター・ドラッカーは『現代の経営』でこう述べました。
There is only one valid definition of business purpose: to create a customer.
(事業の目的の定義はただ一つしかない。顧客を創造することである)
この言葉は、単に新規客を増やすという意味ではありません。認知を生み、接点をつくり、関係を育て、やがて競合の薄い存在になるまで信頼を深める。その一連の営み全体こそが、「顧客の創造」なのだと思います。
私たちの仕事は、まさにそこにあります。
以上で朝礼を終わります。
2026年4月23日 at 8:10 AM
顧客を増やすと聞くと何か難しい方に考えがちですが外側圏の人をどんどん自分達側(中心圏)に引き込んでいくと考えると何も難しく考える必要が無いと感じました。
3層構造の上位レイヤーで全体を通して考えるということはこういうことだと思いました。つい作業レイヤーで考えがちになってしまうので日頃から全体を俯瞰的に見る訓練をしていきます。
2026年4月23日 at 8:11 AM
今期になってまずは知っていただくことへの時間を使うようになってから
この構造は身に染みてわかります。だからこそ、自己人の領域にいてくださるお客様との約束を果たし、また、「〇〇といえばシップ」を作るここを担って住みよい未来を作っていきます
2026年4月23日 at 8:15 AM
>>その一連の営み全体こそが、「顧客の創造」なのだ
顧客を増やす、じゃなくて、認知→接点→信頼→身内まで育てきることが創造。
僕らがやっている広告もWebもAIも、手段としては強い。
でも本質は、相手の頭の中の第一想起を取り、比較の土俵から降ろして、
「価格や条件じゃなく、この会社にお願いしたい」に変えていくこと。
営業としては、各提案の場でここをブレずに言い切って、施策の説明より先に相手の視点に立ち“どうしたら喜んでいただけるか?”
お客様を主語にしていきます。