ビフォーアフター社長日記

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自信過剰も絶望の谷も経験しておけばいい 6月23日 SHIPの朝礼

自信過剰も絶望の谷も経験しておけばいい

おはようございます。6月23日 SHIPの朝礼を始めます。

「自分は◯◯のプロだ。数字の伸ばし方はいちばん知っている」と、若手が日常のタスク会議で言い放ち、先輩の助言を聞き流します。チャットでも対面でも “聞く耳ゼロ”――多くの職場で目撃される光景です。数か月後、同じ人が「全然通用しない……」と呟く確率はきわめて高いです。心理学者デイヴィッド・ダニング氏とジャスティン・クルーガー氏が名付けたダニング=クルーガー効果は、このジェットコースターのような現象を説明する概念です。まさしく私自身が経験してきたことですし、年甲斐もなくこれからも経験してしまう確率は低くないことです。

Peak of Mount Stupid――アドレナリン全開の登頂

新しいツールの使い方を一晩で覚えただけで「突破口を見つけた、自分はさすが優秀」と思い込みがちです。知識が浅いほど“未知の山”が視界に入らず、自信だけがロケット発射のように急上昇します。ここが Peak of Mount Stupid(愚者の山のピーク)です。研究によれば、初心者層ほど自己評価が現実を大きく上回ります。まずはその勢いを否定せず、エネルギー源として歓迎すべきです。

Valley of Despair――絶望の谷に響く自己否定

やがてKPI、先輩のレビュー、クライアントからの修正依頼が容赦なく押し寄せます。自分より詳しい同僚の指摘が胸に刺さり、ロケットは失速します。血糖値スパイク後のインスリン反応のように、自信は急降下し Valley of Despair(絶望の谷)へ落ち込みます。ここで他責に逃げると、谷は底なし沼になります。自分の非力さを直視し、「何を知らないか」を棚卸しすることが次の一歩です。

Slope of Enlightenment――ゆるやかな登り坂を楽しむ

谷底での棚卸しが済めば、地味な改善の積み重ねが始まります。先輩のレビューを一つひとつ噛み砕き、数字の僅かな増加を喜ぶ――まさに“カメ時間”です。進捗が見えづらいこの時期こそ、週次で振り返りメタ認知を鍛えます。「昨日より質問の質が上がった」「エラー率が1%減った」と言語化しましょう。坂は確実に登っています。

Plateau of Sustainability――実力と自信が噛み合う台地

努力が蓄積すると、成果と自己評価がぴったり重なる瞬間が訪れます。過剰な自己賛美も、過度な自己卑下も必要ありません。静かな確信が胸に宿ります。ここに立てば、また未知の領域が見えてきます。そのたびに新しい“愚者の山”をゼロから登り直す――これが成長のサイクルです。


社会人の7〜9割は、この「ピーク → 谷 → 坂 → 台地」のサイクルを繰り返します。豪語も絶望も、キャリアの必修科目です。大切なのは効果を知識として理解し、体験として味わうことです。周囲の言葉に耳を塞いでピークを味わい、現実に打ちのめされて谷底へ落ち込み、そこから登り直す。その全工程が皆さまを鍛え、長い仕事人生を支える最良のメンタルエンジンになります。

以上で朝礼を終わります。

8 コメント

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  1. 自信があるときは言語化するタイミングでできている感覚に陥りやすいです。
    これはこれで良いと思いますが、これがうまくいかなくなると言語化できなくなってくる。そこから再度、逃げずにSlope of Enlightenmentのタイミングで言語化をしていくと深いところまで理解できている感覚になります。
    この周期を経験すると自分が今どの段階かが明確にメタ視点で見れるのでよりサイクルを速く回せるようになると思います
    まずはアドレナリン全開の登頂を自らつくること、謙虚に再度ゆるやかな登り坂を楽しむことこんなイメージをもって人にも教えられるようにトレーニングしていきます。

  2. おはようございます

    ジェットコースターのような事象の説明がありますが、
    自身でもよく起こるので、ニュアンスとしてはとらえていますが、
    再現性のあるフレームとして理解します。

    小さなことの積み重ね。
    方針に沿って、ルールに沿って素直に実直に進めば成長は見込めますが、

    いつも上下動を繰り返すことで一歩も動かないことが続き、
    関わる人の成長を阻害していたことも事実としてとらえていきます。

    積み重ねて、原理原則で理解して、実践を繰り返し、
    自分もかかわる人もできるようにしていきます。

  3. おはようございます。

    本当の意味で`それ`を理解できているのか?
    情報を正しくまとめて、復唱して、それだけで分かった気になっていないか?
    言語化のトレーニングを行っている自分が、気を付けなければいけないことだと思っています。

    努力が蓄積し、成果と自己評価がぴったり重なる瞬間、静かな確信が胸に宿った時に見えた「未知の領域」に、どう向き合うか、登り直すことで、成長サイクルができる。「谷」の部分で他責に逃げず、素直に自分の非力さを認め、「何を知らないか」を棚卸しすることも、サイクルの一つになる。
    このことを忘れずに、諦めずに進みます。

  4. 未熟者は、現実を上回る自信があるが、現実はそれを指摘により自信が落ちる。
    そして改善の積み重ねにより、自分を客観的に認識する。
    そうすることで成果と自分に対する評価が重なるときが訪れる。

    自信過剰により、指摘で自信が落下したときには、他責思考になるのではなく、メタ認知をし、言語化振り返る。それを積み重ね、登り治し、静かな確信となるようこのサイクルを認識します。

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