抽象度と解像度
おはようございます。9月5日SHIPの朝礼を始めます。
相反するようで補完し合う二つの視点
抽象度と解像度は、一見すると相反する言葉のように思えます。抽象度を高めると全体像は見えるけれど細部がぼやける。解像度を高めると細部は鮮明になるけれど全体像を見失いやすい。ビジネスの現場では、この二つをどう使い分けるかが重要なテーマになります。しかし、実際に「反対語」として扱うべきものは抽象度や解像度ではなく、むしろ個別の「事例」だったりします。
個別事例の落とし穴
よくあるのが、「◯◯社ではA案がうまくいった」という話です。これを語る人は「解像度の高い事例を共有している」と思い込みがちです。けれども、その施策が成立した背景には、個別の環境や歴史、投じた予算、蓄積してきたブランド認知度などが複雑に絡み合っています。こうした要因を十分に知らないまま「うまくいった事例」とだけ切り取ってしまうと、むしろ解像度は低いままです。そのまま模倣しても、条件が異なる市場では再現されません。
要因を抽出することが本当の学び
個別事例を扱うときに大切なのは「なぜその事例が成り立ったのか」を抽出し、基本要素に分解することです。成功要因を仮にA・B・Cの三つに整理し、特にどの要素が決定的だったのかを見極められれば、事例は単なる体験談から再現可能な知識へと昇華します。事例を参考にするなら「自社にとってA・B・Cは何に当たるのか」を設定し、市場で小さく実験しながらチューニングを重ねていくことが重要です。
Webマーケティングでの具体例(A・B・C)
たとえば、あるリフォーム会社で「動画広告」が高い成果を出したとします。成功要因を次のように整理できます。
- A(基盤要素):ターゲットを明確にした顧客リストの整備(属性・ニーズ・見込み度のセグメント)
- B(決定的要素):リフォーム後の生活を具体的に想像させる高品質な動画ストーリー(ビフォーアフター、顧客の声、使い勝手の実演)
- C(補完要素):動画を配信するチャネルと頻度・予算配分(YouTube/Meta/リマーケ・ランディング最適化)
このケースでは特にBが成果を左右しました。もし他社が参考にするなら、「自社のBに相当するクリエイティブは何か?」を定義する必要があります。動画制作が難しければ、写真+顧客インタビュー記事、360度ビュー、ショート動画など代替策を設計すべきです。重要なのは、A・B・Cを自社条件で再マッピングし、小さく検証することです。
抽象化と具体化の往復運動
このプロセスは、個別の事例を抽象度の高いところへ引き上げ、再び具体へと落とし込む往復運動です。抽象度を上げて本質要因を抽出し、解像度を上げて自社の状況に合う施策へ変換する
まとめ
抽象度と解像度は対立ではなく補完関係にあります。個別事例をそのまま模倣するのではなく、要因を抽出して抽象化し、A・B・Cの自社版に再設計して具体化する。この往復を粘り強く続けることで、現場で使える知恵が蓄積され、成果の再現性が高まります。重要なのは「なぜ成り立ったのか」を理解し、自社の条件に合わせて小さく素早く検証することです。そうして初めて、抽象度と解像度が両輪となり、実装力と成果が同時に高まっていきます。
以上で朝礼を終わります。
2025年9月5日 at 7:59 AM
おはようございます。
「◯◯社ではA案がうまくいった」 ≠ 「解像度が高い事例を共有」
この思い込みは多く思いつきます。
意図的にそうしたいと思っているわけではないですが、
何かの成果として共有していいことが起こるのではないかと考えます。
皆に当てはまる法則を見つけた!という勘違いから。
記載にあるように結果が出るには原因があり、
その原因は複数要素がある。分解をせずに、単にAをやったからBの結果が出た。
と結論付けて、目線が低い状態の横展開を実行してしまう。
PMAXがやりたいとか、META広告がやりたい。とそのまま言われたことを要素分解せずに受け取って、シップとして実行してしまい、その後の結果の説明ができない状態。
こんなことを多く繰り返してきているので、改めて目的は何?その事象の定義は?結果を起こす原因はABCで言うと何がある?こういった会話を実践していきます。
2025年9月5日 at 3:40 PM
もっとも誤解の多いのが、事例の横展開だと思います
事例を抽象化しないで、コピペする横展開
抽象化して、抽象レイヤーで要素を揃えて、そこから具象化する
言われたことをやる
理由は「言われたから」
目的は?そのための要素は?
抽象レイヤーで考え、具象化の選択肢をいくつか用意して話し合う
2025年9月5日 at 8:47 AM
抽象と具体を行き来する。
小松社長に1年目の頃に、いただいた本でこの考え方を知りました。
そこから数年たって、だんだん意味が分かってきた気がします。
具体的案件の成功⇒そのままほかの案件でも成功するととらえて
テンプレ的に実行⇒大半失敗します
成功した要素をいくつか仮説立てて、
その仮説から他の会社さんの例に落としてくると
成果が出なくても色々なことが次のアクションを決める際の
材料となって出てくることを理解しました
あとはこの行き来の練習量だと思います
継続して行っていきたいと思います
2025年9月5日 at 3:41 PM
練習量です
チームで練習量と知見を積み上げていきましょう