おはようございます。10月23日、SHIPの朝礼を始めます。
10月15日から17日までの3日間、宮古島で25周年記念の社員研修旅行を開催しました。
3日間とも好天に恵まれ、屋外でのイベントも含め、最高のコンディションで過ごすことができました。参加された皆さんも、宮古島の青い空と海を満喫できたのではないかと思います。
ところが、ちょうど1週間後の10月22日、23日、24日は台風の影響で大荒れの天気になっているようです。
もし社員研修旅行を1週間ずらしていたら、どうなっていたでしょうか。飛行機の欠航、イベントの中止、場合によっては帰れないということもあったかもしれません。
つくづく運がよかったと思います。
そして昨日10月22日、もう一つ、運について考えさせられる出来事がありました。
PHPの重大な脆弱性によって、世界中のWebサイトに影響が及ぶ騒動が発生しました。
PHPとは、世界のWebサイトの約7割で利用されているプログラミング言語です。今回、そこに極めて深刻な2件の脆弱性が発見されました。
今回の騒動には、従来と異なる3つの特徴があります。
第一に、発見したのが最先端の生成AIを活用したセキュリティ研究者たちだったこと。
OpenAIなどのAI技術を活用して、長年見過ごされてきた複雑な欠陥が明らかになりました。AIの進化によって、人間だけでは発見が難しかった問題を発見できるようになったのです。
第二に、修正プログラムが公開される前に脆弱性に関する情報が漏れたこと。
本来は開発元が修正を準備し、関係者が足並みをそろえて対策する予定でした。しかし、事前に情報が流出したことで、攻撃者にも手がかりを与える結果となりました。
第三に、そのリスクが世界中に一気に拡大したこと。
実際にサイバー攻撃も観測され、政府機関や企業が被害を防ぐため、Webサイトを予防的に停止する事態になりました。
今回の事件は、AIによって脆弱性を「発見する力」が飛躍的に高まり、攻撃と防御のスピードそのものが変わり始めたことを象徴しています。
SHIPでも昨日は、この問題への対応に追われました。関係者の皆さんには大変なお手数をおかけしました。ありがとうございました。
そして何より、お客様のWebサイトが表示されない時間が発生したことは、結果としてお客様に損害を与えたといえます。大変申し訳ないことです。
午前11時半にはほぼ復旧し、ほっと胸をなでおろしました。
その間、お客様からも数件のお電話をいただいていました。
ここで、少し不謹慎かもしれませんが、正直に思ったことがあります。
「これが1週間前でなくて、本当によかった」
1週間前の午前中であれば、私たちの多くは飛行機で移動中でした。緊急の情報共有も、お客様への説明も、通常どおりには進まなかったでしょう。
お客様からすれば、自社のWebサイトが表示されないという非常事態です。電話をかけても十分な対応が得られなければ、不安は不満に変わり、やがて怒りも大きくなっていったと思います。
しかも、今回の社員研修旅行では、私は「来るべきAIの時代に、私たちはどう立ち向かっていくのか」という趣旨の話をさせていただきました。
AIの進化をどう受け止め、どう仕事に取り込み、会社をどう進化させていくのか。これからのSHIPの方向性を共有することが、今回の研修の大きなテーマでした。
ところが、そのAIの進化によって発見された脆弱性が、世界中のWebサイトを混乱に陥れたわけです。
もし研修旅行の真っ最中にこの騒動が起きていたら、「AI時代にどう立ち向かうか」と熱弁をふるいながら、足元ではAIが発見した脆弱性の影響で経過をかたずをのんで見守るしかなく、お客様にご迷惑をおかけしているという、しゃれにもならない状況だったと思います。
そう考えると、今回のタイミングにも本当に救われました。
運がいい人とは
さて、今日は「運を大事に」というタイトルにしました。
パナソニックの創業者、松下幸之助さんには有名な逸話があります。
採用面接で、応募者にこんな質問をしたという話です。
「あんたは運がいい方かな?」
そして「はい、運がいいです」と答えた人を採用し、「運が悪いです」と答えた人は採用しなかったといわれています。
これは面白い話だと思います。
人生において、いいことばかりが起こる人などいません。誰にでも失敗や挫折、思いどおりにならないことはあります。
それでも「自分は運がいい」と答える人は、そうした出来事も含めて、人生を前向きに受け止めている人なのでしょう。
運がいい人とは、いいことばかり起こる人ではなく、起こったことを前向きに受け止める人なのだと思います。
運が逃げるということ
少し脳の話をします。
人間の脳が快・不快を判断する仕組みには、進化の過程で古くから存在する大脳辺縁系や、その周辺の神経回路が深く関わっています。これは論理的に考える大脳新皮質の働きとは異なり、私たちの感情や行動に素早く影響を与えます。
何か嫌なことが起これば、瞬間的に不快を感じる。それ自体は自然な反応です。
しかし、そこで「嫌だ」「なんで自分ばかりこんな目に遭うんだ」とネガティブに受け止め、その感情のままに反応してしまうと、周囲との関係まで悪くなり、次のチャンスも逃してしまいます。
運が逃げるというのは、こういうことではないかと思います。
反対に、起きてしまったことは仕方がないと受け止め、「さて、ここからどうするか」と前向きに考える人は、周囲の協力も得やすく、次の可能性も見つけやすくなります。
運を大事にしていこう
今回、宮古島の好天にも恵まれ、PHP騒動も社員研修旅行と重ならずに済みました。
たまたま運のいいことが続きました。
こうした幸運をポジティブに受け止めることは、誰にでもできます。
大切なのは、そうではないときです。
そこで不運を嘆き続けるのか、現実を受け止め、次に生かす材料にするのか。
その違いが、長い目で見れば、その人の運の力を形成していくのではないでしょうか。
シップが25年間を存続できたきたことも、多くの幸運や人とのご縁に恵まれてきたからだと心から「運が良かった」と思います。
これからも、いいことがあれば素直に喜び、感謝する。よくないことが起きても、それを次につながる経験に変えて感謝していく。
そんな人が集まる会社は、きっと運のいい会社になっていくと思います。
運を大事にしていきましょう。
以上で朝礼を終わります。
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