日経ビジネス(18.5.14)で消費の新潮流を表す言葉として、シェアラー、ラッシャー、ソリストが紹介されています。
シェアラーは所有しないでシェアする人。その理由は所有する面倒から解放されるからだといいます。服だとクリーニング、車なら車検といったところですがペットのシェアがあることや、ジグゾーパズルやプランモデルの組み立て代行まですでにあるということに驚きでした。
ラッシャーは時短を求める人。葬儀への参列をドライブスルーで受け付けている葬祭会場や結婚式場があるそうです。誰もが一度は思ったことがある「無駄に長い」儀式の時短が進んでいくのでしょうか。
ソリストは何をやるにも一人の方がいいという人。一人で行ってそこにいる人と会話して一人で帰るという目黒のおひとりさま向け居酒屋やチームをつくると何かと面倒なので一人で行って即席チームでフットサルゲームをして帰る「個サル」も人気なのだそうです。
こうした消費性向の変化にはいろいろな背景があると思いますが、スマホの普及でニーズのマッチングが格段にしやすくなったテクノロジーの発展が最大の要因だと思います。フリマアプリのメルカリが6月19日に上場する予定で、今のところ時価総額は3300億円にもなる予想がされています。2012年創業のこの企業の時価総額は歴史のある住友林業や成長企業のDeNAと同じです。メルカリのヘビーユーザーは、メルカリで売って、その代金でメルカリで買うということを繰り返すのだそうです。メルカリはシェアを時短で、しかも一人でも楽しめるプラットフォームだといえると思います。
住宅業界でも普及しそうなシェアサービスが登場してきました。家具などのインテリアをシェアするクラスです。月々500円からインテリアの利用・交換が行えるのだそうです。
車を買わなくなった傾向の中、フェラーリ乗り放題を福利厚生の目玉にして採用活動に成功している会社もあります。(株式会社加悦)
このように買わない生活、所有しない価値観が消費性向の一定の割合を占めることになるでしょう。地域の工務店・リフォーム会社も絞った特定エリアで暮らしに関するシェアサービスの可能性はあると思います。今後10年、社エア・時短・ソロをキーワードにした「暮らし」のプラットフォームを狙う戦略はきわめて有効だと思います。
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