ビフォーアフター社長日記

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働いて働いて働いて働いて働いてまいります 12月2日 SHIPの朝礼

おはようございます。12月2日SHIPの朝礼を始めます。

2025年の「新語・流行語大賞」年間大賞が、高市早苗首相(※設定)の
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に決定しました。

一見すると、近年の「働き方改革」や「ホワイト化」の潮流に逆行するような、昭和的な猛烈さを感じさせるこの言葉。
しかし、私たち広告・マーケティングに携わる人間は、これを単なる「政治家の失言・迷言」や「ネット上のネタ」として消費してはいけません。

なぜなら、この選出の裏には、主催者である自由国民社の「ジャーナリズム」と、
特別協賛であるT&D保険グループの「ビジネス戦略」が驚くほど緻密に計算されており、そこには2026年に向けた消費者の「隠されたインサイト」が眠っているからです。

本稿では、過去の実績と今回の背景を解読し、広告クリエイティブに活かすための視点を提示します。


1. 流行語大賞は「大衆の無意識」のコンパスである

まず、過去5年間の大賞を振り返ってみましょう。そこには明確な「時代の感情遷移」が見て取れます。

  • 2020年「3密」:未知のウイルスへの恐怖と団結(共通言語による危機管理)。
  • 2021年「リアル二刀流/ショータイム」:閉塞感を打破するスーパーヒーローへの渇望。
  • 2022年「村神様」:圧倒的な若き才能への神格化と敬意。
  • 2023年「アレ(A.R.E.)」:直接的な言葉を避けつつ、コミュニティ内で通じ合うハイコンテクストな共感。
  • 2024年(仮に「インバウン丼」や「新NISA」など経済・格差関連だったと想定):経済現実への直面と防衛本能。

そして2025年の「働いて(×5)…」です。過去の流れを見ると、危機(コロナ)から希望(大谷選手・村上選手)へ、
そして内輪の共感(阪神)を経て、再び「厳しい現実(人手不足・国難)」に立ち向かうための「覚悟」へと、
大衆のメンタリティが回帰していることがわかります。

広告業界において、この「覚悟の共有」は重要なキーワードになります。
表面的な「楽しさ」や「ラクさ」だけでは、今の消費者の心に響きにくくなっているのです。


2. 主催者と協賛企業の「意図」をハックせよ

今回の選出で最も注目すべきは、協賛企業であるT&D保険グループの存在です。
彼らは太陽生命や大同生命を傘下に持ちます。特に大同生命は「中小企業経営者のための保険」に強みを持っています。

ここで「働いて…」という言葉を再定義してみましょう。
サラリーマン視点では「社畜礼賛」に見えるこの言葉も、中小企業経営者(=T&Dのコアターゲット)の視点ではどうでしょうか?
人手不足の中、会社を守るために必死に汗をかくリーダーの姿は、まさに「共感」と「肯定」の対象となります。

主催者の自由国民社は、時代の記録として「初の女性首相の覚悟」を選びました。
一方、協賛社のT&Dにとって、この言葉を肯定的に取り上げることは、
「挑戦する人(Try & Discover)」を応援するという自社のパーパスと完全に合致するのです。

つまり、この大賞は「ブラック労働の推奨」ではなく、
「困難な時代に、泥臭く挑戦するリーダーへの賛歌」としてパッケージングされているのです。


3. 広告・キャッチコピーへの落とし込み方

では、私たち広告サービス提供者は、この文脈をどうクリエイティブに活かすべきでしょうか。

① ターゲットは「泥臭い努力を隠さない層」

「スマートに成功する」見せ方よりも、「泥臭く積み上げるプロセス」を見せるストーリーテリングが有効です。
例えばB2B商材の広告なら、「効率化でラクをしよう」という訴求よりも、「あなたのその汗を、成果に変える」といった、
努力を肯定するアプローチが、2025年の経営者層には刺さります。

② 「繰り返し」のリズムを借用する

「働いて働いて…」の5回繰り返しが流行したのは、そのリズム感の良さと、過剰さが生むユーモアがあったからです。
キャッチコピーにおいて、あえて言葉を過剰に繰り返す手法(例:「こだわってこだわってこだわって…」)は、
今まさに「旬」の表現技法として、視覚的なインパクトとSNSでの拡散性を生みます。

③ 「矛盾」を許容する

女性首相が「男顔負けに働く」と言い放ったように、現代は「多様性」と「古風な根性論」が同居する時代です。
クリエイティブにおいても、「最新AI×職人の勘」「完全リモート×熱血指導」のような、
相反する要素の組み合わせ(ハイブリッド)が、リアリティのある解決策として受け入れられやすくなっています。


結論:言葉の「字面」ではなく「体温」を掴め

「新語・流行語大賞」は、単に流行った言葉のランキングではありません。
それは、企業(スポンサー)が「次の時代に売りたい空気感」と、
メディア(主催者)が「切り取りたい現実」が交差する交差点です。

2025年の「働いて…」が示したのは、綺麗事だけでは回らない世界で、それでも前を向くための
「熱量」への回帰です。

私たち広告代行者も、表面的なトレンドワードをなぞるだけでなく、その言葉が選ばれた背景にある「社会の体温」を感じ取り、
ターゲットの心に「共犯関係」を築くようなコミュニケーションを設計していきましょう。
それが、一過性のバズに終わらない、強いブランドを作る鍵になるはずです。

以上で朝礼を終わります。

4 コメント

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  1. >積み上げる・努力を肯定する、リズム感。

    タグラインは様々なパターンがありますが、0から決める時はその会社様が大切にされていること、在り方を込め、
    また覚えてもらいやすいものを考えます。
    「とことんじっくり、家族でワクワク」、
    「いっしょう、いっしょに」など
    スマートさではなく寄り添われる姿勢を他社との違いとして表現したタグラインは上記に通じるものを感じました。

    >矛盾、相反する要素の組み合わせ。

    これも、「安いのに長持ち」、「大手の半額で高品質」、「スピード対応で根本解決」など、
    広告企画の訴求で使うなと気づきました。その矛盾に興味を持つのだと思います。

    ブランディング領域もセールスプロモーション領域も同様で、単純に言葉を並べるのではなく、
    お客様の強みや在り方が伝わり覚えてもらえる工夫、その工事や商品の魅力が伝わり需要が喚起される工夫をしていきます。

    最後に、ゴールデンボンバーの女々しくて2025verをぜひ聴いてください!

  2. 「効率化でラクをしよう」という訴求よりも、「あなたのその汗を、成果に変える」といった、努力を肯定するアプローチが、2025年の経営者層には刺さります。
    >広告の面白い点だと思います。
     広告を支援している側としては、世の中が今どういった雰囲気で動いているのか
     ターゲットはどんな空気感にいてどんな課題感を持っているか。

     実際のSHIP自身のアプローチにも生かしていきます。

    • 広告は時代の空気に沿わせたり、意識的に違和感を持たせたりすることで認知を得ます
      自分が担当している広告も、いつもそんな目線でチェックしていくことです

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