ビフォーアフター社長日記

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経営コンサルタント会社が倒産する理由 4月11日 SHIPの朝礼

おはようございます。4月11日SHIPの朝礼を始めます。

経営コンサルタント会社が倒産する理由

安定経営あるいは成長経営を支援するはずの経営コンサルタント会社の倒産が、東京商工リサーチ(TSR)の調査によると2024年度(速報値)で過去最多の151件に達したそうです。これは集計開始以降で最多だった2023年度の146件を上回り、厳しい状況を示しています。

しかし、この「倒産」という数字は、法的手続きを経て処理された件数に過ぎません。一般的に、倒産件数の背後には、その数倍から十数倍にのぼる休業や廃業、解散といった形で市場から静かに退出していく企業が存在すると言われています。つまり、報道される倒産件数は氷山の一角であり、水面下では経営に行き詰まり、事業継続を断念する経営コンサルタント会社が、この数字よりもはるかに多く存在すると推測されるのです。これは、業界全体が深刻な淘汰の時代を迎えていることの証左と言えるでしょう。

TSRの記事では、倒産の背景について様々な要因が解説されていますが、広義では同じ業界に身を置く私たちにとっても、この問題は決して他人事ではありません。深く考察してみる必要があるでしょう。

私が今まで表明してきた考えに基づくと、経営難に陥り、倒産や事業閉鎖に追い込まれる経営コンサルタント会社の多くは、自分たちが提供する価値について、明確に言語化できなかった、あるいは言語化する努力を怠っていたからではないかと推察します。

経営とは、様々な「因(原因・要因)」が複雑に絡み合って「果(結果)」を生み出す、因果の集合体です。コンサルタントは、顧客が望む「果」を実現するために、どのような「因」を、どのように組み合わせて実行すべきかを道筋立てて示し、合意形成(コンセンサス)を図りながら伴走する役割を担います。しかし、この因果のつながりを言語化し、顧客と共有するプロセスを省略してしまうと、顧客からは具体的な成果、つまり「果」の要望だけが一方的に突きつけられることになります。結果として、「なぜこの施策が必要なのか」「どのようなプロセスで成果に至るのか」という共通認識がないまま、期待値だけが高まり、最終的に「期待した成果が出ない」となれば、報酬をいただく根拠も失われ、事業として成り立たなくなってしまうのです。

TSRの調査が示す倒産の実態

改めてTSRのデータを見ると、倒産(これはあくまで氷山の一角ですが)した経営コンサルタント会社の実態がより鮮明になります。

  • 倒産原因: 販売不振や赤字累積といった「不況型倒産」が100件(構成比66.2%)と、約7割を占めています。これは、コンサルティングというサービス自体の需要がなくなったというよりは、個々のコンサルタント会社が顧客を獲得・維持できなくなったことを示唆しています。
  • 企業規模: 倒産企業の98.6%が資本金1億円未満、94.0%が従業員数5名以下の小規模事業者です。コンサルティング業は、比較的少ない元手で、極端な話「一人」でも始められるため参入障壁は低いですが、その反面、経営基盤が脆弱で、人脈や特定の取引先への依存度が高い傾向があります。継続的な案件獲得が途絶えると、すぐに立ち行かなくなるリスクを抱えています。休廃業を選択する企業も、同様に小規模事業者が多いと考えられます。
  • 倒産形態: 倒産の96.0%が「破産」であり、「特別清算」と合わせた消滅型は99.3%に上ります。再建型の民事再生はわずか1件にとどまっており、一度経営が悪化し信用を失うと、事業の再建が極めて困難であることを物語っています。
  • 負債額: 負債総額は約131億円ですが、平均負債額は約8,600万円と、比較的小規模な倒産が多いのが特徴です。これも、統計には表れない休廃業の実態を示唆している可能性があります。つまり、大きな負債を抱える前に事業継続を断念するケースが多いのかもしれません。

なぜ「経営のプロ」が淘汰されるのか?

TSRは、倒産の背景として「専門領域の分散化」「顧客ニーズの高度化」「AIの台頭」「差別化と専門性の欠如」などを挙げています。これは、倒産に至らないまでも事業継続が困難になっている多くのコンサルタント会社にも共通する課題でしょう。

かつては、財務改善や業務効率化といった比較的汎用的なコンサルティングにも需要がありました。しかし、近年では事業再生、DX支援、M&A、サステナビリティ経営、人的資本経営など、専門領域が細分化・高度化しています。顧客が抱える課題も複雑化しており、より専門的で具体的な解決策が求められるようになっています。

また、情報収集やデータ分析、資料作成といった作業の一部は、AIによって代替されつつあります。これにより、単なる情報の整理や手続き代行、過去の経験則に基づくだけの指導では、価値を提供しにくくなっています。

このような環境下で、自社の強みや提供価値を明確に定義(言語化)し、他社との差別化を図れないコンサルタントは、価格競争に巻き込まれたり、顧客から選ばれなくなったりして、市場からの退出を余儀なくされてしまうのです。属人的な要素が強い業種だからこそ、優秀な人材を確保し、常に知識やスキルをアップデートし続け、「この会社(この人)だからこそ頼みたい」と思わせる独自の価値を打ち出す必要があります。

「果」としてのコンバージョンと、それを生み出す「因」のフレーム

今週は、私たちコンサルタントに求められる最終的な「果」、すなわち顧客の事業における具体的な成果(コンバージョン)に焦点を当てて、深掘りしてみました。

顧客がコンサルタントに依頼するのは、「売上を上げたい」「コストを削減したい」「新事業を成功させたい」といった具体的な「果」を期待しているからです。私たちは、その「果」に至るまでの最適な「因」(戦略、施策、プロセス)を設計し、実行を支援しなければなりません。

重要なのは、「なぜこの『因』がその『果』につながるのか」という因果関係を、顧客にも理解・納得してもらえるように言語化することです。そして、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルを回しながら、着実に「果」へと導いていく。この一連のプロセスを、再現性のある「フレーム」として現場に実装していくことが求められます。

この「因果の言語化」と「フレームの実装」を徹底することで、顧客はコンサルティングの価値を正しく認識し、共に成果を目指すパートナーとして信頼を寄せてくれるようになります。その結果、顧客満足度が向上し、継続的な関係性が構築され、顧客に喜んでいただくことで私たち自身の事業も成長するという「スマイルカーブ」を描くことができるのです。

経営コンサルタントを取り巻く環境は厳しさを増しており、倒産や休廃業は他人事ではありません。しかし、変化に対応し、提供価値を磨き続けることで、淘汰されるのではなく、顧客から真に必要とされる存在であり続けたいと思います。

以上で朝礼を終わります。

14 コメント

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  1. 「因果の言語化」と「フレームの実装」

    今年WCTが目指すテーマの
    商品競争力を上げて顧客の問題解決をする。

    単なる顧客理解からのお客様の価値の言語化視覚化ではなく、
    次に目指す先は、プロとしてWEBサイトであっても広告であってもそれぞれが担う領域において、
    「問題解決のための(結果を出すための)抑えるべき複数要素を理解し、
    それを各顧客・プロジェクトの状況にあわせて抑え落とし込み、
    その意図を細部まで説明できる」
    ようになるということ。

    そして、説明できるだけでなく、
    お客様とその因果の「因」(意図、フレーム)について、考え方でコミュニケーションを取りコンセンサスを得て、
    因果の「果」(コンバージョン)を複数の「因」(意図、フレーム)で検証をし、
    因果の言語化をしていく。

    そこからまたチームで考え方や商品のフレーム、現場ルールをアップデートしていくこと。

    ここに全員で目線とスキルを上げ挑戦していく。

    このスマイルカーブアップデートで、チームでお客様の問題解決を通じ成長していきます。

  2. 顧客は具体的な「果」を期待している。
    なぜこの『因』がその『果』につながるのか

    様々な因が各社さんあり、それを一つ一つ拾うとキリがなくなっていきます。
    そうすると考えることをやめ、テンプレ思考でこの会社はうまくいっているという「果」から「因」の部分を考え、その会社の「因」にテンプレを当てはめようとしてしまう。こうなるとその会社が本来地域で持っていた価値が生かせず、「果」もでず期待にそぐわないことが起きる。

    各社の因を一度抽象化して、フレームで考えて伝えることでパートナーとして「因」をお互いに認識することが作れていくと思います。

  3. おはようございます。
    本日もよろしくお願いいたします。

    お客様とディレクター、営業の方が決めた方針、ゴールに向かうための問題解決、なぜ『因』原因、要因が『果』結果に繋がるのか、お客様に理解・納得してもらうために、フォント・余白・あしらいなどの細部まで意図のある作成を行うこと。
    考え方や業務は全て繋がっていて、ご指摘をいただいた場合は次に活かす、課題が見つかった場合は解決のため自己学習をする、徹底して行なっていきます。
    また、ディレクターやPM、お客様やエンドユーザー様、製作者ではない第三者の目線で見るためにも、身近な方々の振り返り、やり取りを真似てきたかの場を増やし、考え方を毎日アップデートし、目線を上げていきます。

  4. 因果を因にフォーカスして説明できること

    これを意識してお客様とコミュニケーションをとれるよう練習を繰り返していきます。
    原理原則・考え方から今を説明でき、仮説を立てられること。

    この説明から、成功(選ばれ、結果が出る、利益が確保される、事業化継続すること)する確率を高めること。
    結果でなく、原因を作ることを実践していきます。

  5. コンサルティング業は、小規模でも成立する参入障壁が低いが、因の部分である言語化を怠った、不十分であった結果、倒産につながっている。
    だからこそ、スマイルカーブにおける前後の部分が職能、役割問わずに重要です。
    そこが前提で中央のデザイン・構築部分があるので、同じ業界で働いている一人として、倒産しないよう、先輩応援として、スマイルカーブを常に頭の中央に意識していきます。

  6. おはようございます。

    「経営のプロ」が集う会社なのに、なぜ淘汰されてしまうのか、数日前にニュースで見てから疑問に思っていましたが、原因として、専門領域が細分化・高度化していて、より専門的で具体的な解決策が求められるようになっていること、単なる情報の整理や手続き代行がAIによって代替されつつあり、過去の経験則に基づくだけの指導では価値を提供しにくくなっていること、が挙げられると知り、自社の価値を視覚化し、AIでは代替できない、シップだから頼みたい、と必要とされ理存在であり続ける必要があると分かりました。

  7. おはようございます。
    本日もよろしくお願いします。

    「なぜこの『因』がその『果』につながるのか」という因果関係を、顧客にも理解・納得してもらえるように言語化すること。お客様にシップを選んでいただける因果は、問題・解決のための言語化にあると思います。

    お客様に納得して頂くには、しっかり問題を定義できること、色々な解決策を提案できることが必要で、それらの工程を経て、WEBサイトにAIを実装させて頂いています。先に築かれた期待に応える・超えるためには、AIを実装したことによる因果、構築にあたってWEBサイトからどんな意図をくみ取り、反映したのか(色・余白・機能など)。そういった細部まで説明できるようになることが、選んでいただける因に繋がっていくと思うので、目的と意図のある仕事ができるように目線を上げます。

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