ビフォーアフター社長日記

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事件は現場で起きてるんだ 2月20日 SHIPの朝礼

おはようございます。2月20日SHIPの朝礼を始めます。

医師の決断に学ぶ「責任」の形

重篤な状態にある患者が、祈るような目で医師を見つめ、「先生、助けてください」と懇願する場面を想像してください。

この極限の状況において、責任あるプロフェッショナルは決して安請け合いをしません。「はい、助けます」と結果を保証することは、神ならぬ身には不可能だからです。しかし同時に、「いいえ、助けません」と拒絶することも、「持ち帰って検討します」と判断を保留することも許されません。目の前の不安と痛みは、今この瞬間も進行しているからです。

優れた医師は、その場でこう答えます。

「まずはこの激しい痛みを少しでも和らげることに集中しましょう。そのために、今使える一番いいお薬を使いますね」

あるいは、こう伝えます。

「一緒に戦いましょう。私もチームも、全力でサポートしますから」

前者は「目的と手段」を具体的に提示し、後者は「共闘」を誓っています。共通しているのは、「その場で、即座に、相手のために何ができるか」を意思決定し、コミュニケートしている点です。ここに、上司の決裁を待つタイムラグは存在しません。

ビジネスにおける「真実の瞬間」

この医師の態度は、ビジネスの現場、まさに私たちが顧客と対峙する瞬間にもそのまま当てはまります。

かつて倒産の危機にあったスカンジナビア航空(SAS)を再生させたヤン・カールソンは、顧客接点の最初の15秒を「真実の瞬間(Moments of Truth)」と呼びました。彼は、現場の最前線にいる社員に大幅な権限を委譲しました。なぜなら、現場で起きているトラブルや顧客の要望に対し、いちいち本社にお伺いを立てていては、顧客の信頼という「真実」を取りこぼしてしまうからです。

しかし、これは単なる「現場への丸投げ」ではありません。SASが成功したのは、現場での即断即決を支える強固なバックアップと、フィードバックのループがあったからです。
現場での対応事例はすぐに共有され、ベストプラクティスとして称賛される。失敗があれば振り返りを行い、それに基づいて会社全体の「方針」がアップデートされ続ける。この循環こそが、組織と個人の成長エンジンでした。

「方針レイヤー」と「現場レイヤー」を行き来する

私たちが目指すのも、まさにこの姿です。
「顧客はシップの目の前にいる人と話している。いちいちお伺いを立てるんじゃない」――映画『踊る大捜査線』の有名な台詞、「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」に通じるこの精神は、私たちの共通言語です。

しかし、ただ闇雲に現場で判断すればよいというわけではありません。現場で適切な判断を下すためには、常に二つのレイヤー(階層)を行き来するトレーニングが必要です。

  • 方針レイヤー(抽象・戦略)
    私たちは何のために存在し、何を大切にするのかという理念や戦略。
  • 現場レイヤー(具体・戦術)
    目の前の顧客に対し、具体的にどのような言葉をかけ、どう動くか。

優れた担当者は、顧客の「助けて」というシグナルを受け取った瞬間、脳内で「方針レイヤー」にアクセスし、「我が社の方針に照らせば、ここではこう動くべきだ」と瞬時に判断を下し、それを「現場レイヤー」の具体的なアクション(処方箋の提示や共闘の提案)として出力します。

この思考の往復運動こそがスキルアップの本質です。

マニュアル通りの「持ち帰って確認します」は、思考停止に他なりません。一方で、方針を無視した独断は、組織としての責任放棄です。
方針を深く理解しているからこそ、現場で大胆に応用ができる。現場のリアリティを知っているからこそ、方針をより良く磨き上げることができる。この「具体と抽象」の反復横跳びを繰り返すことでのみ、私たちは顧客と共に成長することができます。

準備はできているか

顧客にとって、目の前にいる「あなた」こそが会社そのものです。
そこに上司はいません。マニュアルのページをめくる時間もありません。あるのは、あなたのプロフェッショナリズムと、顧客を想う覚悟だけです。

「持ち帰ります」ではなく、「今、ここで、私たちができる最善」を提案しましょう。
その積み重ねが、やがて大きな信頼となり、私たち自身をも救う力になります。

顧客は会議室ではなく、あなたの目の前で期待を持って待っています。

以上で朝礼を終わります。

8 コメント

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  1. お客様からご要望やご不安やご不満など直接いただく顧客窓口に立つ人はもちろん、
    納品物を通じて顧客の要望に向き合っている人も同じ

    問題に対し瞬時に判断する責任という点では、
    日々プロジェクトや後輩のSOSに向き合うPMも、
    また日々目の前のタスクを遅れやミスなく最適な判断と実施をするオペレーションメンバーも全員同じと考えます

    瞬時に方針に照らし合わせ、方針・原理原則など考え方から物理的な観点や感情面から最善な判断と伝え方を行う
    低レイヤーの思考だけでは間違いますし高レイヤーだけでも具体的解決に進みません

    うまくいった考え方や判断や実行策、うまくいかなかったこと、これを個人で振り返りチームで振り返り蓄積し再現性を持たせる

    プロとしてお客様に喜んでいただく

    それぞれ責任の大小はありますが、結果やりがいと成長がついてくると信じ、
    日々の現場で起きる問題解決に向け、チームで言語化、振り返り、共有、練習、実践を繰り返していきます

    • >日々の現場で起きる問題解決に向け、チームで言語化、振り返り、共有、練習、実践を繰り返していきます

      同じ業種・同じ課題と毎日取り組んでいること事態が我々の強みです
      その土台を積み上げていきましょう

  2. >>
    方針を深く理解しているからこそ、現場で大胆に応用ができる。「今、ここで、私たちができる最善」

    この実践と振り返り、共有とインストールの繰り返しを実行します。

    この最善の提案が何なのか?答えはないですが、決してあきらめず学び続け身に着け、周囲も巻き込んで成長します。
    お客様の期待に正しく答えることで、パートナーとしても成長していきます。

  3. お客様に頼っていただいたときに、自分がこの問題を解決しようと思う
    これがスキルアップしていくサイクルの第一歩だと信じてます。
    そうでなければ、責任から逃れ一度社内で検討しますなどといった状態の繰り返しで真実の瞬間を逃し今後解決の再現性も作れず何年も停滞してしまうイメージができます。

    目の前のお客様と一緒に成功を作れるよう
    日々僕自身のスキルを上げていきます。

  4. >「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」
    今この瞬間も、お客様は現場で課題を抱えている。
    その課題解決が自分の役割であり、解決に向けて手を差し伸べる姿勢を常に示せるというのが、信頼できるプロとしてあるべき姿だと感じます。 

    方針や考え方自体は いつもシンプルだと思うのですが、
    責任あるプロとなるには、そこに瞬時にアクセスし、
    瞬時に実行レベルに落とし込めるようになること。
    その行き来をスムーズにできるように、意識して練習をします。

    接点などでの会話の一つひとつが、その後のプロジェクトの起点になるので、
    その場での姿勢や判断で、その後の期待や結果を作れるようにしていきます。

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