おはようございます。1月29日SHIPの朝礼を始めます。
今年度、私たちの会社は「顧客の問題・解決を通じて成長する」という方針を掲げています。昨年度と方向性は同じ方針です。
創業以来の考え方として、会社の存在意義は、顧客の抱える問題を解決することにあると定義しています。Derukuiがそうですね。今期、そのための手法として「ダブルダイヤモンド」のフレームワークが強調されています。解決すべき課題を探索・定義(Define)し、その上で解決策(Solution)を実行する。このプロセスを経ることで、顧客満足と私たち自身のスキルや人間性の成長が同時に達成される。
ロジックは完璧です。誰も異論はないはずです。
しかし、現場の実態はどうでしょうか。
顧客から言われたことに脊髄反射で対応し、「言われた通りにやりました」と提出しては、「これじゃない」と手戻りすることはありませんか。あるいは、良かれと思って急いで対応した結果、かえって事態を複雑にし、顧客の不満足を生み出してしまったことは続いていませんか。
「問題・解決」を掲げているのに、スマイルカーブによる顧客満足を標榜しているのに、私たちが日々生み出しているのは真逆のことだったりしませんでしょうか。
なぜ、方針は「行動する際のルールの横」に置かれ、日々のバタバタの中に埋没してしまうのでしょうか。実は、この問いに対するヒントは、最新のビジネス書ではなく、1200年前の仏教の教えの中にありました。
空海が説いた仕事のプロセス「三句の法門」
真言宗の開祖、弘法大師空海が大切にした教えに『三句の法門(さんくのほうもん)』というものがあります。『大日経』という経典にある、「悟りへのプロセス」を示した言葉です。
これを現代の私たちの仕事、特に「顧客の問題解決」に置き換えてみると、驚くほど符合します。
1. 菩提心を因とす(種まき)
「悟りたいと願う心(菩提心)がすべての原因(スタート)である」という教えです。
ビジネスで言えば、「顧客の役に立ちたい」「良い仕事をしたい」「成長したい」という『初期衝動』や『志』にあたります。これがないと何も始まりません。私たち全員が、入社時やプロジェクト開始時には持っているはずの「種」です。
2. 大悲を根とす(育成)
ここが最も重要です。「他者の苦しみを抜きたいと願う慈悲(大悲)が、根本(根っこ)である」と説きます。
これは単なる同情ではありません。相手が何に苦しんでいるのか、その痛みの根源は何なのかを深く理解しようとする『共感』や『課題の探索』です。
まさにダブルダイヤモンドでいう「正しい課題を見つける(Discover / Define)」プロセスです。植物で言えば、見えない土の中で深く広く根を張る時期。根がなければ、幹は育ちません。
3. 方便を究竟とす(結実)
「巧みな手立て(方便)こそが、究極の目的(ゴール)である」とします。
ここで言う方便とは、「嘘も方便」ではなく、「相手を救うための最適な具体的手段」のこと。つまり『解決策の実行(Deliver)』です。
根から吸い上げた栄養を使って、ようやく花を咲かせ、実をつけ、相手に手渡すことができます。
私たちが「根」を飛ばす理由
この「種・根・実」のプロセスを見たとき、私たちの現場で起きている「反射的な対応」の正体が見えてきませんか?
私たちは、「種(役に立ちたい、仕事を終わらせたい)」を持っています。持っていることにします。そして、すぐに「実(解決策・作業)」を出そうとしています。
真ん中の「根(大悲)」が抜け落ちていませんか。
「大悲を根とす」プロセスは、地味で苦しいものです。
顧客の話を聴き、表面的な言葉の裏にある真意を探り、ダブルダイヤモンドの最初の山を登り降りして、「本当の課題は何か」を特定する。これには時間がかかります。脳のエネルギーを使います。「早く楽になりたい」という本能に逆らう必要があります。
一方で、「言われたことにすぐ反応する」のは、一見すると「仕事が速い」ように見えます。忙しく手を動かしていると、仕事をした気になれます。不安も紛れます。
しかし、それは「根のない切り花」を渡しているようなものです。その場は綺麗に見えても、すぐに枯れてしまい、顧客を本当の意味で満たすことはできません。
なぜ、私たちは「根」を張ることを避けるのか?
これを自問してみてください。
会社の方針として「問題解決(ダブルダイヤモンド)」が示され、それが正解だと頭では分かっている。それなのに、なぜ私たちは現場に出ると、この「根(課題定義)」のプロセスを飛ばしてしまうのでしょうか?
- 単に「忙しいから」でしょうか? 確かに時間は足りないかもしれません。しかし、手戻りやクレーム対応に費やしている時間を考えれば、最初に時間をかける方が合理的であることは、すでに経験上知っているはずです。
- それとも、私たちの心のどこかに「恐れ」があるのでしょうか? 顧客の懐に深く飛び込み、本当の問題に向き合うことへの恐れ。あるいは、「正解が見つからないかもしれない」という宙ぶらりんの状態に耐えられない、精神的なスタミナ不足でしょうか?
『三句の法門』は、「大悲(根)」がなければ、どれほど立派な「方便(実)」も育たないと教えています。
今年度の方針である「顧客の問題・解決を通じて成長する」という言葉。
これを単なるスローガンで終わらせず、自分の血肉とするために。
なぜ、私たちはつい「根」を張ることをサボり、安易な「実」を求めようとしてしまうのか。
その「なぜ」の答えは、マニュアルの中にはありません。私たち一人ひとりの、日々の行動の選択の中にしかありません。
今期スタートから1ヶ月目が終わろうとしています。初月度の事業計画はクリアする見込みです。ここで「顧客の問題・解決を通じて成長する」について再度考えてみてください。
以上で朝礼を終わります。
2026年1月29日 at 9:29 AM
お客様に喜んでいただくために
解決されたい課題や実現されたい目標に対して
安易に反応するのではなく正しい考え方を持ち正しく抑える
始まりとなる顧客理解(現状把握、期待値の理解)、
ゴールに向け進めるための手段の原理原則、考え方や仕様のフレームとその合意
そして実行、始まりの視点をもったチェック
始まりとゴールが抑えられているから喜んでいただける
原理原則・フレームがあるから生産性が上がり蓄積され再現性が持てる
お客様の問題・解決を通じメンバーが成長していくこと
そのためにこのスマイルカーブをどの分野の業務でもどのメンバーでも展開できる状態を目指し
言語化・仕組化・改善を行います
昨年と比べ1ヶ月で課題だと思わなかったことを課題と感じれるようになる
小さな変化が現場であります
ここを起点に無駄にしないように進めていきます
2026年1月29日 at 5:38 PM
>昨年と比べ1ヶ月で課題だと思わなかったことを課題と感じれるようになる
>小さな変化が現場であります
同感
変化を実感しています
大きな動きにしていきましょう
2026年1月29日 at 9:52 AM
>>なぜ、私たちはつい「根」を張ることをサボり、安易な「実」を求めようとしてしまうのか。
日々起こる雑なことに集中して、方針・目的を考えずに飛びつき楽に過ごしたいから。
自分がこの構造だと気づきます。
ここ1か月、営業部チームとしての問題点と向き合い、計画して実行すると、次の一手が見えてきます。
ここがだめだったのか?それともフレームで考えるとここのアプローチが違ったのか。
だったら、あの状態と似ているので、次回はこうしよう。また、同じことを繰り返さないために、これはやめよう。お互いに声をかけるようになりました。
表面上のコミュニケーションから、目的を持ち、目標を達成するためのコミュニケーションの糸口はつかんだと思います。
すぐに答えを求めて楽な方向に行くことをやめ、問題を見極めその時の最適解を決めて実行して検証・改善していくことが本来の問題・解決だということを自覚して行動します。
2026年1月29日 at 5:44 PM
安易な空気は、相手にも安易を選択させます
結果、互いに自分に都合の良い解釈をして、結果はいうまでもない
わかっているから正しい道をいこう