おはようございます。12月17日SHIPの朝礼を始めます。昨日の続きです。
マネジメントレイヤーの「考え方」(役割とスタンス)
このレイヤーは、単に上からの指示を下に流す「伝書鳩」でも、現場の尻を叩くだけの「監督」でもありません。以下の2つのスタンスを持つことが求められます。
1. 「翻訳機」であり「資源配分の門番」である
上位で決まった抽象度の高い「ISSUEと解決の方向性(戦略)」を、現場が明日から動けるレベルの「具体的なアクションプラン(戦術とKPI)」に翻訳する必要があります。
同時に、資源は有限であるため、「あれもこれも」はできません。上位のISSUE解決に最もレバレッジが効く施策は何かを見極め、そこにリソースを集中させ、「やらないこと」を決める門番の役割を果たします。
2. 進捗管理者ではなく「仮説検証の責任者」である
「予定通り進んでいるか?」という進捗管理(Output管理)だけでは不十分です。
上位で立てた計画はあくまで「仮説(こうすれば課題が解決するはずだ)」に過ぎません。マネジメントレイヤーは、現場の実行プロセスを通じて「その仮説が正しかったか?」を検証する責任者です。
したがって、うまくいかなかった時に「現場の理解と行動が足りない」と他責にするのではなく、「計画の前提となっていた仮説(因果関係の読み)が違っていたのではないか?」と疑う姿勢が必要です。
マネジメントレイヤーの具体的な「内容」(3つの機能)
上記の考え方に基づき、マネジメントレイヤーは以下の3つの機能を、それ自体が小さなダブルダイヤモンドサイクルを回すように遂行します。
機能①:構造化と資源配分(戦略→実行への接続)
上位の戦略を、現場が実行可能な形にブレイクダウンします。
- KGI/KPIツリーへの展開:
- 上位目標(KGI)を達成するために必要な要素を因数分解し、現場が追うべき先行指標(KPI)まで落とし込む。
- (例:売上目標 → 商談数 × 成約率 → 商談数は架電数に因数分解…など)
- リソースアロケーション(資源配分):
- 分解した要素の中で、今期どこがボトルネック(最重要ISSUE)なのかを特定し、そこに優秀な人材や予算を重点配分する。
- 逆に、インパクトの小さいタスクは削減・停止の判断をする。
機能②:実行プロセスへのダブルダイヤモンド適用(モニタリング)
現場が実行フェーズ(Deliver)に入った後、マネージャーはそこから得られるファクトを元に、現場レベルでの「発見(Discover)と定義(Define)」を行います。
- 「因果」のモニタリング:
- 「KPIが未達である(結果)」というファクトに対し、「なぜ未達なのか?(原因)」を現場と一緒に掘り下げる。
- 単に「行動量が足りない」のか、「行動の質が悪い」のか、「そもそもKPIの設定が間違っている(市場の反応が想定と違う)」のか、因果を特定する。
- 現場の「事実」の吸い上げ:
- 数値データだけでなく、顧客の声や現場メンバーの「違和感」といった定性的なファクトも重要な「発見」の手がかりとして収集する。
機能③:アジャストと戦略への還流(戦術修正と戦略フィードバック)
特定された現場レベルの課題に対し、アジャストを行います。ここが最もマネジメントの腕の見せ所です。
- レベル1:戦術のアジャスト(現場レベルの修正)
- 仮説(戦略)は正しいが、やり方(戦術)がまずかった場合。
- (例:架電ターゲットのリストを変更する、トークスクリプトを修正する、担当者を入れ替えるなど)
- レベル2:戦略への還流(上位方針の修正提案)
- 現場のファクトを分析した結果、「前提としていた市場環境が変わった」「当初のISSUE設定自体がずれていた」など、構造的な問題が明らかになった場合。
- ここで現場を無理に走らせ続けるのは「ホープ・ストラテジー」への逆戻りです。勇気を持って上位レイヤーにファクトをフィードバックし、戦略自体の見直しを提言します。
まとめ
上位方針が「組織の脳」だとすれば、マネジメントレイヤーは「神経系と循環器系」です。
脳からの指令を末端(現場)まで正しく伝え、末端で起きた事実を痛覚として脳にフィードバックする。このサイクルが健全に機能して初めて、組織はホープ・ストラテジーから脱却し、環境変化に適応しながら学習し続ける「ダブルダイヤモンド型の組織」へと進化できます。
以上で朝礼を終わります。
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