働き方改革で、勤務時間の総量は厳しく管理されるようになってきました。目的は生産性アップだとか言われますが、現場的には「仕事=時間」にしていくマネジメントにする必要があるということだと理解しています。
「仕事=時間」とは、具体的には
・「失注した営業活動費用」を見える化して、無駄になった時間を減らしていく
・何も生み出さない会議を洗い出しやめること
・無駄なパワーポイントの作成時間をなくすこと
明細はたくさんありますが、根本的には意思決定のスピードとサービス品質を上げて、顧客の支持を得ることを通じ、社員の物心両面の満足を高めていくことということです。
言うは易しですが、実際に推進するハードルは低くないので、僕はまた「イシューからはじめよ」(安宅和人著)を読んでいます。
本書ではイシューとは「答えをだすべき問題」と定義されています。大きな問題から小さな問題まで毎日のように発生しますが、「イシュー=答えをだすべき問題」を見つけ出さないと、労力と時間をかけて解決に向かっているような気になっても、もぐらたたきのように次から次へと別の問題が出現します。
本人がまじめで一所懸命であればあるほど、「イシュー=答えをだすべき問題」をはずした働く時間は浪費されていきます。著者はこのことを「犬の道」と呼んでいて、本書の序章も『脱「犬の道」』と書かれています。
良いイシューの3条件として
条件①本質的な選択肢である
条件②深い仮説がある
条件③答えを出せる
とあります。
本質的な選択肢とは例えば「天動説と地動説」が挙げられていますが、どちらの立場を取るかで観察される事象はまったく変わってくるということです。
僕らが陥りやすいのは「なんちゃってイシュー」に捕らわれること、しまいには属人的な原因に帰して一瞬だけ解決したような気になることです。「本当にそこから答えを出すべきなのか」の思考の高さのチェックが必要です。
深い仮説とは、今起こっている現象のもとになっているぼんやりとした前提を「常識の否定」と「新しい構造」によって組み立てなおすことだと理解しています。今の状況を脱したかったら今の違う世界観・仮説を再構築する必要があります。
[気になる問題が100あったとしても、「今、本当に答えを出すべき問題」は2,3しかない。さらにそのなかで「今の段階で答えを出す手段がある問題」はさらにその半数程度だ。](73Pより引用)
①、②を経て「③答えを出せる」問題の見極めとその実行が働き方改革なのだと思います。2019年も年末に近づきました。2020年度の「イシューからはじめよ」に取り組みます。
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