ビフォーアフター社長日記

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成長へのヒント2 6月26日  SHIPの朝礼

タイトル:成長へのヒント2

おはようございます。6月26日 SHIPの朝礼を始めます。

昨日の続きです。成長が停滞したとき、問いの「主語」を「私」から「人生」や「社会」へと転換することの重要性について触れました。今回は、その考え方がなぜそれほどまでにパワフルなのか、その源流をさらに深く探っていきたいと思います。

この思想は、単なる思考のテクニックではありません。それは、人類の歴史上、最も過酷な状況の中から生まれ落ちた、人間の尊厳をかけた哲学なのです。


思想が生まれた場所:強制収容所

この思想の提唱者 ヴィクトール・フランクル の言葉の背景にあるシチュエーションは、彼の思想の核心です。それは特定の講演会で語られたものではなく、著書『夜と霧』に記され、心理療法「ロゴセラピー」の根幹をなす思想そのものです。そして、その思想が生まれた場所こそが、ナチス・ドイツの強制収容所でした。

極限の無力状態

ユダヤ人であった精神科医フランクルは、妻や両親と共に強制収容所に送られました。そこでは、人間としての尊厳、財産、社会的地位、そして家族さえも、すべてが奪われました。明日の命も保証されない。自分では何もコントロールできない、究極の無力状態に置かれたのです。

「人生の意味とは何か?」という問いの虚しさ

収容所の中で、多くの人々が絶望し、「こんな人生に、一体なんの意味があるのか?」と問い、生きる希望を失っていきました。フランクル自身も、この問いに何度も直面しました。しかし、この状況で「人生から何を得られるか?」「人生は私に何を与えてくれるのか?」と問うこと自体が、彼には虚しく、無意味に感じられたのです。なぜなら、その問いに対して、人生(=収容所の現実)が返してくる答えは「苦しみと死」以外にないからです。


コペルニクス的転回

ここでフランクルは発想を180度転換させます。これを彼は「コペルニクス的転回」と呼びました。

「問うべきは、我々が人生に何を期待するかではなく、むしろ、人生が我々から何を期待しているかなのだ」

つまり、問いを発する主体を「私」から「人生」へと切り替えたのです。

  • 変更前: 私 → 人生に意味を問う
  • 変更後: 人生 → 私に「お前はどうするのか?」と問う

「応答責任」の発見

この転換によって、人間は無力な存在から、「人生からの問いに応えるべき存在(応答責任のある存在)」へと変わります。

たとえどんなに過酷な状況でも、「人生からの問い」は続きます。

  • 「殴られ、蹴られ、飢えに苦しむ。この状況で、お前はどういう態度をとるのか?
  • 「仲間が絶望している。この状況で、お前は仲間に対して何ができるのか?
  • 「いつ終わるとも知れない苦しみの中で、お前は何を心の支えにして生き抜くのか?

フランクルは、この「問い」に対して、たとえば「愛する妻と再会する未来を思い描く」「この収容所での心理学的体験を将来必ず論文として発表する」といった具体的な応答を自らに課すことで、生きる意味を見出しました。


私たちにとっての「応答責任」

フランクルの体験と私たちの日常を同列に語ることはできません。しかし、この「コペルニクス的転回」と「応答責任」という構造は、あらゆる人生の局面で私たちに力を与えてくれます。

予期せぬプロジェクトの炎上、理不尽な人事異動、人間関係の軋轢、キャリアの停滞――困難に直面したとき、私たちはつい「なぜ私がこんな目に?」と問いがちです。そこで、意識的に「主語の転換」をしてみましょう。

その困難は、あなたを苦しめるためだけの不運な出来事ではありません。それは、人生があなたに発している「問い」なのです。

「この困難なプロジェクトは、私に『計画性や交渉術の重要性』を学ばせようとしているのでは?」
「この人間関係の軋轢は、私に『他者への理解やより良いコミュニケーション』を問いかけているのでは?」
「このキャリアの停滞は、私に『本当に大切なものは何か』を見つめ直す機会なのでは?」

私たちは、人生の被害者ではありません。人生からの問いに、自らの態度と行動で答えを示す責任と自由を持った存在です。

今、あなたの人生は、あなたに何を問いかけていますか?
そして、あなたはどう応答しますか?

その応答こそが、あなたの未来を創り、あなたをさらなる高みへと成長させてくれるはずです。私も私の人生からの問いに、どんどん難しくなる問いに応答していきます。


以上で朝礼を終わります。

6 コメント

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  1. おはようございます

    >>

    その困難は、あなたを苦しめるためだけの不運な出来事ではありません。それは、人生があなたに発している「問い」なのです。

    >>

    人生では、困難なことは毎日起こり、将来を考えたときに不安になることもあります。
    自分が生きている人生に対して、無視したり放置したりすることはありません。
    仕事での解決すべき問題がある。これは自分を成長させ、関わる人たちの問題を解決できるチャンスだ。
    どうすれば、この困難を乗り越えて、goalに向かえるか?
    毎日自問自答を繰り返して、言葉にして伝えますが、うまくいかないことの方が多い。
    ただし、正しく考え続けて、行動をとればよい方向に必ず向いてきます。
    人間関係も同じです。人生に関心を持ち、考え行動する。良いことをコツコツ積み上げて自分に自信をもって前に進む。
    日々繰り返し、住みよい未来を創る考え方行動を実践します。

    • 役割が上がってくると課題も難易度があがりますし、解決できる課題の難易度によって役割も変わっていきます
      より高い難易度の課題を解決できるチームシップを目指しましょう

  2. 自分軸の主語で考えるのではなく、人生が~と主語の変換。
    事実ネガティブがことが起こっている場面で、自分は~にするとネガティブになる可能性があるから、人生が自分に~と変更します。
    ・これは、人生が自分に時間、チェック、挫折を体験させようとしている。結果強くなると変換します。そうすることで、乗り越えることができる。

  3. おはようございます。

    今、自分の人生は自分に何を問いかけてくるか。
    そしてそれにどう返答するか。

    三ヵ月前に、学生から社会人になる、という大きな環境の変化がありました。右も左も分からない世界に入り、色んな脳を使い、目まぐるしく過ぎていく日々、自分が選んだ道なので「なぜ私がこんな目に?」とまでは思ったことはないですが、「他の人はどう乗り越えているんだろう…」と思っていました。
    この大きな変化に、自分の人生は何を問いかけてくるのか。他人がどう、ではなく、自分が人生に意味を問うわけでもなく、人生が自分に問いかけてくる。
    自分にとっては、規模が大きすぎる話ではありますが、「私」と「人生」とで主語を反対にしてみる、そうすることで自分が何をしたらいいのかが分かってくるかもしれない。
    人生に行き詰った時の一つの思考にとっておきます。

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