ビフォーアフター社長日記

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高く売れるものを、高く売れる仕組みを作る 3月22日 SHIPの朝礼


おはようございます。3月22日SHIPの朝礼を始めます。肌でも感じていると思いますが物価値上昇が相次いでいます。今朝、「値上げ」で検索してみると5日前のニュースが最新でしたが、値上げはもうニュースにもならないのかもしれません。

値上げの原因は複数あります。原材料を輸入に頼る日本ではそもそもの原材料価格の高騰、コンテナ代など物流費の高騰、それに加えて為替相場で日本円が安くなっているということです。原材料のもともとの値段が100ドルだったのが、10%上がると110ドル、物流費が10ドルだったのが20ドル、1ドルに対する日本円の価値が100円だったのが120円になると下記のようになります。
Before:原材料費100ドル+物流費10ドル×100円(ドル/円)=11,000円
After :原材料費110ドル+物流費20ドル×120円(ドル/円)=15,600円(141.8%)

ドル円推移

もしこの事業者が、その製品を販管費30%で20,000円で販売していたとします。販売価格、販管費がそのままだと下記のようになります。
Before:販売価格20,000円-原材料費11,000円-販管費6,000=利益3,000円(利益率15%)
After :販売価格20,000円-原材料費15,600円-販管費6,000=損失1,600円

皆さんが経営者ならどうしますか? 販管費の無駄な部分は削減してもほんのわずかでしょう。
After2:販売価格23,000円-原材料費15,600円-販管費5,800=利益1,600円

他社との競争もありますので、15%の値上げと0.33%の経費削減で、利益を半分程度でも確保するということになると思います。お気づきかと思いますが、為替レートの影響はとても大きくて、もし1ドル=100円のままだったら、
After :販売価格20,000円-原材料費13,000円-販管費6,000=利益1,000円
上記の場合、同じ利益を確保しようとしたら販管費はそのままで値上げも3%程度で済みました。しかし円安は私達ではどうにもならないことですので、できることは「付加価値を上げる」ことしかありません。

毎月第3木曜日に開催しているSHIP経営改善会議では、「高く売れるものを、高く売れる仕組みを作る」ということを行っています。各社とも全部ではありませんが一部の得意なところを取り上げると実はたいへん高い付加価値が潜んでいたりします。それを顕在化する手順は下記になります。

1) 対象のお客様:誰に買っていただくか?
2) 対象の商品:何を買っていただくか?
3) 認知:対象のお客様にどんな「違い」を認知していただくか?
4) 興味関心:対象のお客様にどんな「事実」を認知していただくか?
5) 比較対象:対象のお客様にどんな「選択基準」を理解していただくか?
この問答はなかなか答えが出にくく、楽なものではありません。事業は販売なのでどうしても販売者側の立場で考えたくなるのですが、マーケティングの設計段階では徹底的にお客様の視点を想像しきる必要があります。

以上、この円安状況のもと、私たち自身の問題でもありますし、ユーザー様への指南としても、「高く売れるものを、高く売れる仕組みを作る」ことを日々のコンタクトでこころがけていただきたいと思います。今週も一週間よろしくお願いします。


7 コメント

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  1. 先日、お客様とお話しした際、値上げはすぐにでも出来る。ただ、競争も考えると、容易に値上げもできない。材料原価も人工も、諸経費もあがるなか、顧客にまじめにどうこの状況を考えて行動するか?目先の利益のための反射的な行動でなく、長期視点での問題解決企業として、地元の皆さんに必要とされるように自社を磨き上げていく。とおっしゃっていました。
    そんな企業のパートナーとして、強さも弱さも理解して拡張のお手伝いを長期視点をもってご支援していきます。

  2. 普段のWMMの中でよく出てくる部分で、安く出したくないなど相談でいただきます。その場での返答に困ることも多々あります。
    安く出したくない理由は様々あると思いますが、解決するために1)~5)の内容を一緒に深堀し思い付きでない提案のできるパートナーになりたいと思います。

    1)~5)が明確な会社さん、またはそれを理解しているかどうか、で見ると少ないと思います。この1)~5)は点では成り立たないと思うのでお客様の商売全体を見たうえで目線を合わせる会話をしていきたいと思います。

    • ここは難易度の高いところなので
      経営改善会議に誘導していただくか
      経営改善会議の個別サポート版を案内していただくのが
      現実的だと思います

  3. まだお客様にこどもみらいやインヴォイス制度といったものをお伝えするにしても、「売る」姿勢になってしまってると部内でもFBをいただいてます。相手に喜んでもらうということを前提として身に着ける必要がありますが、1)と2)を考慮したうえでどんなふうにお客様にお役立ちできるかをアウトプットしながら、よくよくは3-5までを理解し、行動に移せるようにしていきたいです。

  4. 「高く売れるものを、高く売れる仕組みを作る」
    そもそも持っている価値、その会社様が発見され、選ばれているのか。
    事実をしっかり理解して、どこが付加価値になるか。
    顧客理解の解像度を高めることで、1)~5)のアタリが自身でもつけていけるようになりますね。

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