内閣府サイト【https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/family/index.html】によると、
「子供を家族が育み、家族を地域社会が支えることの大切さについて理解を深めてもらうために、平成19年度から11月第3日曜日を「家族の日」、その前後各1週間を「家族の週間」と定め、この期間を中心として理解促進を図っている」そうです。
住宅建築において「子供を家族が育む」の考え方は、常套的なキャッチコピーとして使われてきました。
夫婦と子供、あるいは同居する親がいる場合もありますが、多くの場合間取りやプライバシー、安全配慮などをこのコンセプトを具現化するものとして、モデルハウスや住宅カタログや営業マンのトークスクリプトに織り込まれてきました。
マーケティング企画の立場としてはもはや差別化しにくいし、子供の出生数もますます減る中で「これでいいのか?」感のあるキャッチといえます。
でも面白いことを思いつく人はいるものです。注文住宅建築の株式会社リガード(本社:東京都国分寺市)は家族の日イベントとして、モデルファミリー付モデルハウスを公開します。
モデルハウスに入ると「おかえりなさい」と奥さんから出迎えられます。顧客は妻と7歳の娘がいる父親という設定で、家族でホームパーティーの準備をしたり、娘と工作しながらふれあったり、妻と将来のことについて話し合ったりといった家族の幸せを感じるシチュエーションを体験できるという企画です。
少子化・未婚化の問題のひとつの原因として
「家族を持つことが幸福だと思えない」
「家族の持つ未来が想像できない」
と感じる若年層の増加があるといわれているそうですが、この心理の「負」を解消するという演出意図なのだと思います。こちらは人気演劇集団「ヨーロッパ企画」が演出を手掛けています。
マーケティングは他社との「違い」を編みこんで人に話したくなる「ストーリー」に仕立てることで、自社にマッチする顧客を創造する営みです。
モデルハウスでの接客に「違い」はないと思い込んでいましたが、モデルファミリーという「違い」が織り込まれて、モデルハウス営業というストーリーがまったく違うものに変容して、この企画はSNS上でありったけバズっています。会社も一気に認知度を高めたと思います。まだまだ面白いことはありますね。工夫の可能性を感じました。
「Eighty percent of success is showing up.」 by Woody Allen
「目立てば8割成功」(ウッディ・アレン)
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