金融庁金融審議会が発表した報告書による「95歳まで生きるのに、高齢夫婦で2000万円が必要になる」が政争絡みで炎上しています。元データは総務省の家計調査結果てで「老後に毎月5万円ずつ、30年間で2000万円の赤字になる」というわかりやすく単純化した試算によるものです。統計データは何らかの目的のために用いられますが、今回は資産を持っている高齢層の資金を投資に呼び込むためだったようですが、「年金は百年安心ではなかったのか!」の方向に誘導され、「平均余命95歳まで定年後無職の場合、何もしないと30年間月々収支マイナス5万円が想定されますよ」ではなく、「老後2000万円足りない、どうしてくれる!」と野党やマスコミに取り上げられて、選挙前ということもあり、選挙が終わるまではおそらくこの論調は続くんだろうなと思います。
総務省の家計調査は僕もSHIPリフォームセミナーで消費者意識の変化を読むのに使っていますが、2人以上世帯の消費支出は2000年と2018年を比較すると、史上最強の金融緩和が継続中にも関わらず月間で約3.5万円ほど下がっていました。このままだとこれからも下がり続けると思いますが、そのうちさらに5万円下がってマイナス2000万円問題は解消するかもしれませんね。冗談ですけど。
企業は縮み続ける市場で、ターゲットとする市場セグメント選択がますます重要になってきます。アマゾンは6月10日信用が低い人向けにアマゾン・クレジット・ビルダーというクレジットカードを発行すると発表しました。通常だとクレジットカードが発行されない層がターゲットです。大きな市場ボリュームに対し、戦略的な打ち手だと思います。
話しを年金2000万円不足問題に戻しますが、ここまで大きく報道されてしまうと、そのまま報道を信じる人の集合が新しい市場を形成したのではないかと思います。7月21日の投票日まで、「年金2000万円不足けしからん報道」が続くでしょうから、あおり燃料はたっぷりあります。そこで「30年で2000万円節約するリフォーム」提案を打ち出したらどうでしょうか。断熱や省エネ、創エネ、なども組み合わせると筋の通った内容で構成できます。
そう考えると不毛な報道も有意義に感じることができそうです。
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