ビフォーアフター社長日記

世界一のDERUKUIになり、お客様と社会の向上に貢献します

情報の伝わる速度の向上を追い風にする経営


 未来はどうなるだろうと考えるときに、過去と現在の変化から流れを理解すると想像しやすくなると思います。20年前なら目の前に出されたワインの実売価格を知ることなどほとんどできなかったと思いますが、今ならスマホにVivinoというアプリが入っていれば、ラベルをカメラで撮影するだけで産地や作り手の情報や他の人の評価や小売店での実売価格を即座に知ることができるし、ロバートパーカーでなくても飲んだワインの評価をすることもできます。飲食店のメニューの価格と小売店での実売価格の差額に対する価値観は人それぞれだと思いますが、提供する側と提供される側の情報の非対称性がなくなっているということだけは事実です。このような分野では日々様々なアプリが登場しては利便性を競っています。

 最近カフェでアイスコーヒーをオーダーすると紙ストローがついてくることが多くなりました。1年ほど前にスターバックスが2020年までにプラスチック製の使い捨てストローの使用を全廃すると発表してから、このような流れになってきました。そのうち地図アプリのカフェの欄に「紙ストロー」とか「フェアトレード」とか表示されるようになるかもしれません。ESG(環境・Environment、社会・Social、ガバナンス・Governance)を自分の消費行動において重要視する層は確実に増えるでしょうし、そこに価値を全然感じない人も必ずいるわけですから、情報として把握が容易になることで、顧客も店も互いに選びあう関係が出来てきます。

 建築業界も、IT会社も同様で、名刺交換の後に、そっと名刺をスキャンすると過去の評価がどんどん出てくるようになるということは容易に想像できると思います。目の前の営業マンのセールストークとスマホの画面にでてきた評価情報のどちらに重要性を置くかはひとそれぞれだと思いますが、私たちの消費行動においてスマホ画面に現れる情報の重要性は少なくありません。Google社はこのような消費行動をZMOT(Zero Moment of Trues)・ゼロ回目の真実の瞬間と表現しています。良きZMOTを生み出すためには、結局は「誰に何を売るか?」を明らかにして、関わる人みんなの良い結果のために業務改善を繰り返していくのみです。

 先日「グーグル社員によるGoogle I/O 2019徹底仮説」というセミナーに参加したときに、androidアプリストアの評価のことを話していらっしゃいました。アプリの評価は以前はローンチから今日までの評価を示していましたが、以前は評判が良く最近は評価が落ちたアプリやその逆で最初はぱっとしなかったけど、ここ数か月はとても評価が上がってきたアプリの区別が出来なくなっているのは問題ということで、ここ数か月の評価の表示に切り替えているそうです。

 先に書いてきたZMOTにおけるリアルな店舗や制作会社の評価も同様になるでしょう。常に顧客やステークスホルダーたちのより良い結果を追及することで、情報の伝わる速度の向上を追い風に経営をしていくことだと思います。


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