ビフォーアフター社長日記

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ZMOT – Zero Moment of Trues (ゼロ回目の真実の瞬間)


 「真実の瞬間(Moment of Trues)」という言葉は、1981年に業績悪化で苦しむスカンジナビア航空のCEOに就任し、わずか1年で優良会社に変身させたヤン・カールソン氏の著作のタイトルとして広く普及しました。

 業績悪化は、企業努力が顧客満足に結びつかずに経営資源が浪費されることによって起こります。企業は顧客を満足させる様々な工夫をしていますが、これが空回りすることが往々にして起こります。ヤン・カールソン氏は、顧客が航空会社に満足あるいは失望を感じるのは、サービススタッフが顧客と関わる15秒間に起こるということを見抜きました。しばしば引用される一節を紹介します。


 お客様であるピーターソン氏は、コペンハーゲンで重要な商談に参加するため、アーランダ空港に向かうが、到着した途端に大変なミスに気がついた。航空券をホテルに置き忘れてきてしまったのだ。

 藁にもすがる思いでスカンジナビア航空のチケット係に相談すると、予想外の回答が待っていた。「ご心配はいりません。搭乗カードをお渡しします。仮発行の航空券も添えておきます。ホテルのお部屋番号とコペンハーゲンの連絡先さえ教えていただければ、後はこちらで処理しましょう。」

 係員はすぐさまホテルに電話し、航空券を見つける。そして自社リムジンを手配し、ピーターソン氏の出発前に航空券が彼の手元に届いた。「ピーターソン様、航空券でございます」。おだやかな声に何より驚いたのは当事者である彼自身だった。


 この15秒間の「真実の瞬間 – Moment of Trues」に満足した顧客はリピート客になりますし、その逆のことも起こり得ます。様々な分野に応用され、消費財の購買であれば、小売店の棚で商品を見つける瞬間をFMOT(First Moment of Trues)、それを実際に使うときをSMOT(Second Moment of Trues)と呼ばれます。

 1981年から30年後の2011年、Google社はZMOT(Zero Moment of Trues)という消費行動を提唱しました。「ゼロ回目の真実の瞬間」という意味になります。30年前と違うのは、消費者の手元にスマートフォンやパソコンがあるということです。消費者は何か気になることがあると、まずは検索して調べます。専門家や愛好家の意見や、どこでどんな価格でものが売られているかも手元で調べられるようになりました。

 こうやって商品やサービスと出会う段階がZMOT(Zero Moment of Trues)です。ZMOTでの検討や精査を経て、FMOTを迎えます。さらに実際の消費や体験というSMOTの後、その情報はネット上に拡散して、まったく見ず知らずの他人のゼロ回目の他人のZMOTに影響を及ぼします。

 2019年も明けて2か月、もう今週終わりから3月ですが、ZMOTの重みは増すばかりです。


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