ビフォーアフター社長日記

世界一のDERUKUIになり、お客様と社会の向上に貢献します

お客様の欲求の本質を追求する


 日経トップリーダーで『あらゆる業界の企業は「教育化」する』という特集をやっていました。
 
 宇都宮市のサトーカメラというカメラ店さんは、栃木県内に17店展開していて県内のシェアはトップだそうです。カメラといえば量販店が寡占化した最初のカテゴリーですが、県内トップシェアの原動力になったであろう考え方を引用します。
 
 お客様が持ってきた写真を見て、どうしたらもっと上手に撮れるか、本当はこんなふうに撮りたかったのではないかとこちらが気づいて一緒に考える。

 普通のカメラ店はカメラや周辺機器、写真のプリント、フォトブックなどを販売しています。店員はその商品の説明や価格の対応に専門知識を使って一生懸命になっています。しかし、サトーカメラでは自分たちの専門知識を使ってお客様がどれだけ楽しめるか、喜んでもらえるかを一緒になって考えています。
 
 サトーカメラは一時期、量販店に対抗するために店舗を大型化し、安売り路線で県外にも店舗を広げていったそうです。しかしその路線は行き詰まった同時に「顧客はカメラを買いたいのではない。顧客は思い出を写真で残したいのだという気づきから、サトーカメラは『想い出をキレイに一生残すために』と理念を変えました、

「一部の愛好家を除き、大半の顧客はカメラという機器が欲しいのではなく、カメラを使って想い出の場面をきれいに残したいから来店する。より上手に撮影できる方法を教えてくれるなら、そこに人が集まるのは当然だろう。」

 カメラを売る場所には一度しか来ないでしょうが、「撮る楽しみ」を教えてくれる場所にはお客様は何度でも足を運びます。

 楽天大学の仲山学長は顧客とチームになることを解説しています。

『チームをつくる上で大事なのは、4つの「P」です。プレーヤー(会社)、パートナー(顧客)、プロジェクト(活動)、そしてフィロソフィー(哲学・ビジョン)です』

「カメラを売る」には誰も共感しませんが、「想い出をキレイに一生残すために」というフィロソフィーには共感が集まります。

まとめとして「教育化」の5つのSTEPです。
 
STEP1 顧客の本質的な欲求を考える 
 うわべの顧客ニーズではなく「本当は何を求めているのだろう」と顧客の立場になりきって柔軟に想像力を働かせてみること
 
STEP2 欲求に「教育化」を当てはめてみる
 本質的な欲求は自分では容易に気づかないものだから、必ず教育化というキーワードに合致する。
 
STEP3 自分たちが「教えられること」を幅広い視点で考える
 顧客の欲求は本質的であればあるほど、簡単には解決できない。顧客も必ずしも即効薬を求めているのではなく、経験談を語ってもらったり、悩みに共感してもらったりすることに価値を感じる。

STEP4 「社長と社員の意識」を変えて教育化を始動
トップは社員にこう宣言するといい。
「この取組はすぐには売上につながらないかもしれない。しかしお客様は必ず喜んでくれるから、焦らず、時間をかけて頑張ろう」 
「我々がすべきことは問題の解決ではなく、問題の発見」(サトーカメラ)、一見非効率に思えても顧客に寄り添い時間をかけて一緒に問題を発見していくことが大切だ
 
STEP5 顧客から「教えられたこと」を事業にいかす
指標となるのは顧客からの「ありがとう」の言葉。社員の表情も指標になる。

 顧客の欲求の本質を追求していけば、まさしく『あらゆる業界の企業は「教育化」する』んだなと納得しました。


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